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ー記憶ー113

 しかしそんな望の行動に雄介の方も限界が来ているのか理性が飛びそうになってきているようだ。 確かに目の前にいるのは雄介が好きになった人である。 だけど目の前にいる望というのは記憶の無い望で、その人物というのは記憶が無いというだけで望であって望ではないのだから抱くのも躊躇してしまう所だ。 だが流石の雄介もまだ望とは付き合ったばかりで我慢の限界が来てしまったのか、 「……望……ホンマはな……好……」  今の望に雄介は告白をしようとした瞬間、望の部屋のドアが開らき、そこに立っていたのは和也だ。 あまりにも遅い雄介と望の事を呼びに来たらしく、初めて望の部屋へと訪れた和也は辺りをキョロキョロとさせ望達の居所を探していているようだ。  そしてイチャイチャとしている二人を見つけ、 「成る程ねー! そういう事だったのか……。 まぁ、確かに俺は邪魔もんだし、今日は帰ることににするな……じゃあ、後は二人でお好きにどうぞ」  そう言って和也は場の雰囲気を読んだのかドアを閉めると出て行ってしまうのだ。 それに急に現実に戻されたというのか、それとも今のこの望との状況を和也に見られて焦ってしまったのか雄介の方は慌てたように、 「おいっ! ちょ! 待って! 和也! ホンマに待ってって!」  雄介はそう言って和也の事を止めようとするのだが、その上からは望が雄介の事を誘ってくる。 「なんだよ……。 やっぱり、お前は、この俺じゃ不満なのか?」 「ちょ、違うって! ホンマにっ!」 「じゃあ、お前が俺の事、好きって事を証明してみせろよ」  そう望に誘われてしまい雄介の方は理性が吹っ飛んでしまったのか、それとも何か考えがあったのか、 「ほなら……悪いけど……」  雄介はとうとう望の誘いに負けてしまったのかは分からないのだが、今度、望の事をベッドへと仰向けにさせると手首を押さえる。  そして唇を重ねるのだ。  それだけではない、上唇も下唇も舐め上げゆっくりと望の口内へと舌を忍ばせていく。 「ん……ぁ……はぁん……」  それだけでも望の方はもう出来てしまったのか、そこに満足すると、 「これで、満足か?」

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