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ー天災ー73

 やはり本当に雄介の言う通りだった。 本当に今まで住んでいた街並みが変わり果てていたのだから。  道は瓦礫や街路樹等で寸断され建物も崩れてしまっている所だってある。 頭の中に地図が入っていたとしても本当に行けるかどうか分からない位に外は変わってしまっていた。 それでもやはり自分の家がどうなってしまっているのかが知りたい。  だって小さい頃からずっと住んでいたようなもんなのだから。 生まれて育った家。 だからこそ気になる。  望は一つ息を吐くと、 「行こうぜ」  と雄介に声を掛ける。 「ああ」  そう答える雄介の方に視線を向けると何やら雄介は沢山の荷物を持っていた。 「ん? その荷物は?」 「ん? これか? もしもって時にって思うてな。 これらがあったら、もし、なんかあった時には助けられるやろ?」 「ああ、まぁ、そうだけどさ」 「ほら、前にデパート火災があったやんか、あん時、めっちゃ俺は悔しい思いしとったしな。 なら、備えあれば憂いなしって事で持って行くって訳や」  そうあの時のデパート火災の事を思い出してしまったのか雄介の方はそう切なく話す。  そしてゆっくりと歩を進めた二人。  とりあえず今は道なき道を歩いて行くしかない。  望は動き慣れてないせいなのか息を切らし始めるのだ。 「はぁ……はぁ……やっぱ、無理だったのかな?」 「せやから、俺、言うたやんか……」  雄介は呆れたように言いながらも望の先を歩く。 「とりあえず、俺が先に歩いて安全な場所を確保しながら行くし、それに付いて来てな」  そう望に手を差し伸べ笑顔で言う雄介。 「へ? あ、ああ……」  前よりも逞しく見えるのは気のせいなのであろうか。 ただ単に望の色眼鏡がそう見えているもかもしれないのだが、それでも雄介はレスキュー隊になっているのだから益々鍛えられているのかもしれない。  そんな雄介に望は付いて行くのだ。

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