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ー空間ー148
和也は流石に今のニュースを見て親友がこのニュースの当事者だという事を知るとポケットに入れておいた携帯を取り出し望に掛けるのだが当然聞こえてくるのは望声ではなく『お客様お掛けになった電話番号は電波の届かない場所に居られるか? 電源が入っていない為、掛かりません』という機械的なアナウンスしか聞こえて来なかった。
望達は飛行機に乗ってしまっているのだから確かに機械的なアナウンスが流れてくるのは分かっていたのだが、やはり、一応、確認の為に電話したといったという所だろう。
「やっぱ、ダメか……まぁ、繋がり訳がねぇとは思ったんだけどさ……」
和也はそう悔しそうに言い放つと裕実の手を取ってホテル代を払い部屋を出て再び空港へと向かう。
今日は何度この道を往復したのであろうか? 今はそんな事を考えている場合ではない。 一刻も早くもっと情報が知りたいと思う方が上なのかもしれない。 ナビをテレビにしてみても未だハイジャックの情報はなく夜の番組は続けられていた。
今はまだ二十一時三十分。
今のテレビの時間はドラマのゴールデンタイムの時間だ。 だからテレビ局の方も途中で番組を切り替える事が出来ないのかもしれない。
しかも今日は土曜日で夜のニュースはあまりない曜日でもあったような気がする。 とりあえず今はハイジャックのニュースをどこの番組でもいいから取り上げて欲しいと思うのは雄介も望もその飛行機に乗ってるからであろう。
今、望達がどうなっているのか!? というのが全くもって分からない。 そんな不安なままで車を走らせ続ける和也。 本当は車のスピードを上げて空港に向かいたいと思う所なのだが日本には道交法というのがある。 それに従わなければ警察に捕まってしまうのだから今はそれを守らなければならないだろう。
なかなか目的地に辿り着けないというイライラが募ってくる和也。
思わずそれを口に出てしまったようだ。
「くっそ!!」
そう和也は小さく怒りを込めて言うと左手でハンドルまでも叩いてしまっている。
そんな事で怒りが治らないのは自分でも分かっているのかもしれないのだが止める事は出来なかった。
それから十五分も経った頃だろうか。 やっと目的地である空港に着いて和也は直ぐに裕実の腕を取ってターミナルの方へと急ぐ。
そこに向かうと関係者なのであろうか? それとマスコミの方ももうロビーの方に集まってきていた。
和也はターミナル内にあるテレビ画面を見上げ足を止める。 そこには、ただアナウンサーが「ハイジャックがありました」とだけ告げているだけで後の情報はまだ無いようだ。 確かに飛行機内で起きている事なのだから誰も情報がある訳ではない。
そして望達が乗っている飛行機がハイジャックされたのは、もう十数分前の事だ。
望達が乗る飛行機が東京から離陸して安定飛行に入るとシートベルト解除のアナウンスが流れた頃だったのかもしれない。 望達乗っていたのは二階席にあるファーストクラスの左側の方に座っていた。 これも偶然とでもいうのか、その望の隣には雄介もいる。 ただ、もしかしたら誰かと場所を変わってもらったのかもしれないのだが。
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