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ー雪山ー50

「人って怖ぇよなぁ。 恋人がいるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれるなんてさ、それに、もう、雄介が目の前からいなくなる事があり得なくなっちまってるしさ……」  望はそう部屋でボソボソと独り言をぼやいていると洗濯機は回り始めたのだろう。 その音が部屋内に響き渡り始める。  医者なのだから電化製品とかって最新型のを買えばいいのであろうが、まだまだ現役で使える洗濯機を捨てる訳には行かず、やはりそこは完全に壊れてから捨てるのが妥当だと思っている望。 だから洗濯機が回り始めるとその音が部屋の中へと響いてしまう。  雄介は洗濯機が回り始めたのを確認してからなのか望がいる部屋へと戻って来た。  そして望の前にあるソファへと座ると、 「足の方は大丈夫なんか?」 「あ、ああ、大丈夫だ」 「ほんなら、ええねんけど。 つーかさ、何でさっき皿洗ってる時に動揺したん?」 「それは……お前が思い出させたんだろうが」  望は顔を赤くしながら視線を逸らす。 「それじゃあ、意味が分からへんねんけど」  雄介の方は意味が分かってないと言いながらも顔をニヤニヤとさせている所から意味は分かって言っているのかもしれない。 「あのなぁ、分かってるくせに聞いてくるんじゃねぇよ……お前は顔や態度に出やすいタイプだな」 「でもな、やっぱ、そこは言葉で言うてくれへんとわからん所やんか。 そりゃ、合ってるのかもしれへんし、合ってないかもしれへんしな?」  雄介はテーブル越しに望の胸を指で数回叩く。 「……ぁ」  そう望は小さな声をあげると望は雄介のその行動に雄介の指と雄介をと交互で見つめるのだ。  その望の行動に笑顔を見せる雄介。 「ホント……お前には色々と恋愛に関しては教わるよな?」  望の方はソファの背もたれに寄りかかると肘を背もたれの縁へと付け顎に手を乗せると庭の方へと視線を向ける。 「そうか?」 「ああ、まぁ、俺の方が今はお前の側にいたいって思ってる位だからな」

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