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ー波乱ー80
笑顔いっぱいに溢れさせ和也は裕実の手を取ると和也の車がある駐車場へと向かうのだ。
そして二人は車へと乗り込む。
「今日は何処に行きますか?」
「そんなの決まってるだろうが……」
「ですよねー」
と裕実は正面を向くと笑顔になる。
だが笑顔になったのも束の間、裕実の方は途端に顔色を変えて、
「和也! 聞いて下さいよ!」
「え? あ! まさか!? アイツに何かされたのか!?」
そう和也の方はその裕実の言葉に慌てた様子で裕実の方へと視線をいや顔ごと向けてしまう。
「とりあえず、ちゃんと顔を正面向けて車走らせて下さいね……」
そう言いながら和也の顔を両手で包み正面へと向かせると、
「とりあえず、新城先生には僕は何もされてませんから……安心して下さい」
「あ、ゴメン。 お前がてっきり慌てたもんだからさ……そう思っちまっただけだけど。 で、そのお前がそんなに慌てた理由ってなんなんだ?」
とりあえず颯斗には何もされてないと分かった和也は安心したのか、いつもの口調に戻って大した事はないとタカを括っていたのか、次、裕実が言う言葉に裕実に颯斗が手を出す以上に驚くとは思ってはいないだろう。
裕実は先程、颯斗が誰かと電話で会話していた事をそのまま和也へと話す。
「はぁ!? それ、マジかぁ!?」
「それ、嘘吐いてどうするんですよー。 まぁ、その会話だけでは全くもって何の話をしているのか? っていうのは分かりませんでしたけど、まだ、新城先生が和也の事、引き抜くって事を諦めてはいないって事ですかね?」
「なんだよ……裕実と一緒の部屋になったから、もう、他の病院とは関わりが無いって思ってたんだけど、実は違うって事なのか? ってか、俺はもう他の病院で働く気なんてサラサラねぇのにさ……」
「でも……ですよ! 話聞いていると、どうやら、違うみたいなんですよねー? 何か、和也を引き抜くって話では無さそうなんですよ。 何か話聞いていても和也の事を引く抜く話だとこう辻褄が合わないっていうのでしょうか?」
「……へ? どういう事だ?」
「いや……分かりませんけど、ただ、僕はそう思っただけですからね」
「……へ? そうなのか? ただの勘とかいうやつなのか? まぁ、とりあえずアイツからまだ油断出来ないっていうのは間違いなさそうだよな」
「そうですね……気を付けて下さいね」
「分かってる……お前のためにも俺は気を付けるようにするよ」
和也はため息を吐くと車を走らせ続ける。
裕実の話を聴くと颯斗はまだ和也の事を狙っているようだ。
謎の人物、新城颯斗。 まだまだ、和也にとっては危険な人物には変わりない。
一難去ってまた一難。
いつまで、この四人には試練が続くのであろうか?
それは、今のところは分からないところだろう。
【ー波乱ー】前編 END
NEXT→【ー波乱ー】後編
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