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ー海上ー105

「構わないよ。 じゃあ、早く戻らないとね」  やっと足を駐車場の方へと足を向ける五人。  真夏の暑い中といっても海の中で濡らした洋服というのはかなりの水を含んでるせいかなかなか乾かないもんだ。  車へと到着すると裕二は和也と望に服を脱がせ下着一枚へとさせるとトランクに積んでおいた毛布を二人へと渡す。 「これで寒くはないだろ?」 「ああ……」  裕二の用意の良さに顔を合わせると裕実を真ん中に三人は後部座席へと座るのだ。 「……で、和也さんに望さん! どうして、救助用ボートに乗って来なかったんですか?」 「それか!? それは望が悪いんだよなぁ。 望ってばさ、目の前に怪我人がいるって思うとそこしか見てないっていうのかな? 確かにそれは俺達的には仕方がない事なんだけどよ……だけど! あの状況で怪我人の方を見るっていう状況じゃねぇのにさ……望は部屋へと戻って医療用の鞄を撮りに戻っちまったんだよな。 それだから、その間に船が傾いて来ちまってそれでバランス崩しちまって何がどうなったのか分からないうちに気付いた時には船が完全に傾いていた時だったんだよ。 まぁ、その傾いてバランスを崩した時に俺の方は腕を打っちまったみたいで痛いは痛いんだけどさ……まぁ、一応動くから折ってはないと思うけどな」 「だけどなぁ、その腫れ方だと最低でもひび位はやってるかもしれねぇぞ」  その望の言葉に和也の方は顔色を変える。  だが和也の方は苦笑いをし、 「大丈夫に決まってるんだろうがー! だって、まったくもって痛くねんだからよ!」 「望さん! 和也の事怖がらせないで下さいよー。 せっかく、和也が治療する気になったんですからね」 「……ってか、和也ー、親父から逃げられるとでも思ってるのか? 親父から逃げてもいいけど……仕事出来なくなるかもしれねぇぞー」  今日は望の方が上の立場でいられるからであろうか。 そう望の方は余裕そうな表情で言うのだった。 「あー! もう! 大人しく治療を受けるから何も言うなー!」  そう今にも半分泣きそうな表情叫び和也。  確かに今のこの状況では和也に選択権は無いようだ。  行きとは違い和也のおかげで車の中は明るいような気がする。  いや望の方もこういう状況にしているのかもしれない。  やがて車はいつも見ている景色へと変わって来てやっと戻って来た感じでもしているのであろう。  五人は車から降りると裕実は濡れてしまっている二人のスーツを手にすると望と和也は病院の部屋へと向かうのだ。 そこに行けば洋服と下着があるからだろう。

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