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ー海上ー119

 そう言いながら望は雄介が座ってるソファの隣へと座るのだ。 「ま、そこは仕方ねぇよ。 望の癖みたいなもんなんだしな。 さて、お前等の事病院の駐車場まで送らないとだったよな?」 「ん? それってどういう事や?」  その和也の言葉に気になってしまったのは、どうやら雄介だ。 「あぁ! そういう事な! そういや雄介にはまだ言ってなかったんだよな? 昨日さ俺眼鏡無くしただろ? だからさ昨日は車の運転出来なくてさ和也に家まで来てもらったって訳さ……だから、俺の車は病院の駐車場に置いたままってな訳……とりあえず、俺の眼鏡が出来るまで雄介が車の運転してくねぇか?」 「あ、ああ! そういう事な。 車の運転やったら俺に任せてくれたらええし」  雄介はその話を聞くと立ち上がり三人は家を出て和也の車へと向かうのだ。  それから病院も駐車場まで和也が雄介達を送ってくると和也はそのまま家へと向かう。 「さて、やっと……本当に二人きりになれたな」  雄介はそう言いながら運転席のドアを開けると運転席の方へと乗り込む。  望の方も自分の車だけあってか、そこは素直に助手席へと腰を下ろすのだ。 「しっかし、ほんまに二人だけっていうのは久しぶりやんな」 「ああ、そうだな」  二人きりの時間というのが久しぶりだからなのか、きっと望の中では二人だけの空間というのを意識してしまったからであろうか。 雄介とは反対側を向き窓の外に流れる景色を眺めながら答える。  その望の雰囲気に気付き雄介の方は軽く微笑むと黙ったまま運転を続けるのだ。 「な、望……何処の眼鏡屋に行くん?」  望が意識しないような言葉を選び望に質問する雄介。 「デパートだ……」  と望の口からはそう返って来るだけだ。 「ほなら、車はそのデパートにある駐車場に止めたらいいか?」 「ああ、それでいい」  久しぶりに二人だけの空間に望の方が上手く会話が出来ないようだ。 雄介の方もそんな望に気付いたからなのかそっから先は本当に黙ったままだった。 それからデパートの駐車場へと到着すると雄介は先に車から降りたのだが、なかなか望が降りてくる気配がない。  そんな望に気付いて雄介は助手席側へと移動し、 「な、望……大丈夫なん?」 「ああ、まぁ……。 でもさ、悪いんだけど……雄介に手伝って欲しいんだけど……」  その望の言葉に雄介は望が何をいおうとしているのかが分かったのか、 「今の望は目見えないんやったな」 「ああ、そういう事……」  雄介はその望の言葉で笑顔になると望へと手を差し伸べる。

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