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ー崩落ー38
「さて、俺の方はもう寝るかな? 今は元気になってきたようにも思えるんだけどさ……また、いつ振り返すか分からないからな」
その望の言葉に今まで大の字になっていた和也は急に上半身だけを起こすと、
「な、本当に大丈夫なのか?」
「何がだよ」
「あ、ゴメン……。 だからさ、側に誰かいなくて大丈夫なのか? って事」
「多分、大丈夫だろ? 今こんなに元気になってきたんだぞ?」
「お前さぁ、インフルエンザを舐めてねぇ? 本来なら治るのに一週間位掛かる筈だぞ。 なのに、もうピンピンしてんだろ? 流石にこんなに早く治るって事はないと思うぜ」
「ま、そうなんだけどよ。 実際問題、今は元気なんだから大丈夫になってきたんだろ?」
「んー、まぁ、そうなんだけどな?」
「何だか、納得してなさそうな顔してんな?」
「当たり前じゃねぇか……。 望はさ、あんまり患者さんの病室とかって見た事がないからそう思うのかもしれねぇけど、まだまだ油断出来るような日にちは経ってないんだよな」
「じゃあ、何が言いたいんだ?」
「あ! それね! 今日は雄介もいない事だし、望の近くで俺等が寝た方がいいんじゃねぇかな? って思ったんだけど……」
そう和也は真剣な顔で望の事を見上げる。
「じゃあさ、俺は自分の部屋で寝るから、和也達は今まで俺が寝ていたベッドで寝ればいいんんじゃねぇのか? 新しいシーツ出してきたらいいだろ?」
「そうするかぁ」
「それで決まりだな」
そうと決まると三人は一階の電気を消して二階へと向かう。
そして三人は望がさっき言ってくれた提案を実行すると寝るのだ。
それから、その日の深夜。
さっきまで元気だった望が急に荒い呼吸を繰り返し、苦しそうな声が隣の部屋で寝ている和也達の方にも聞こえて来る。
和也は直ぐに布団から飛び起きると、
「やっぱり、俺の言う事は確かだったみたいだな」
和也はそう一言漏らすと望の部屋へと向かい、裕実の方もほぼ和也と同時に起きていたようで和也と一緒に望がいる部屋へと向かうのだ。
「望……大丈夫か?」
そう和也が望に声を掛けても望からは返事がない。 ただただ荒い呼吸を繰り返していておまけに咳の方も繰り返していた。
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