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ー過去ー86

「そうだよなぁ。 さっきは和也の言葉に返事しちまったけど、確かに今日の和也は何かおかしいよな?」  和也の方に視線を向けると、 「あのなぁ、俺の事は気にするな……裕実とお前は恋人同士なんだから、俺に気を使わないで一緒に寝たらいいじゃねぇか」 「あ、でもな……本当に今日は一人で寝たいからいいんだよ」 「へぇ、じゃあ、和也は裕実の事が嫌いなんだな」 「べ、別に……そういう訳じゃあねぇんだよ」 「なんだよー、和也にしては珍しく焦ってねぇか?」 「焦ってなんかいねぇって……」  和也はその焦ったような表情を見せまいとしているのか、顔を望から逸らすのだ。 「やっぱり、そうなんじゃねぇのか? 和也ー、何か俺達に隠してねぇ?」 「別に隠し事なんかしてねぇよ……。 とりあえず! 今日は俺一人で地下室に寝るからよ!」  和也はそう何かを誤魔化すかのように、ソファから立ち上がると先に地下室の方へと行ってしまう。  リビングへと残されてしまった望と裕実。  やはり今日の和也の行動、言動がおかしいと思っているのであろう。 「やっぱり、今日の和也おかしいですよね?」 「おかしいに決まってるじゃねぇか……。 仕方ねぇ、さっき言ってた事実行だな。 裕実は風呂に入ったなら、和也が向かった地下室に行けよ。 それで和也の様子確かめた方が良さそうだしな」 「分かりました! じゃあ、お風呂、先にいただきますね」 「ああ……」  裕実はそう望に伝えると、お風呂場へと向かう。  暫くして裕実はお風呂から上がって来ると、 「では、望さん……おやすみなさい」 「ああ、おやすみ」  それから裕実は和也が行ってしまった地下室の方へと向かうのだ。  裕実が地下室へと向かい、ドアを開けると中へと入って行く。  すると和也は地下室にあるダブルベッドに仰向けになっていた。 そして裕実はいつも以上に優しい口調で、 「和也……?」  と声を掛けると、和也は裕実の方に笑顔を向け、 「やっぱり来てくれたか?」  『やっぱり』とは一体どういう意味なんだろうか。  望が言っていた通りに和也は病気になっていて裕実が心配していて来てくれた。 という意味なのか、それとも他に何か意味があるという事なのであろうか。 「和也……どういう意味なんです? 『やっぱり』って……」

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