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ー天使ー36
そう和也に言われ望は壁に掛けてある時計を見上げると、確かに和也の言う通り時計は九時半を回っていた。
「……へ? ど、どういうことだ!? 俺が目が悪いだけじゃねぇよな?」
「そうだよ! もう、九時半回ってんだよ!」
望と和也が騒いでいると雄介が二階へと上がって来て、
「望達……まだ、居たんかいな。 ホンマ、時間とか大丈夫なんか?」
そんなまったりと話す雄介だが、和也達はまだ慌てた様子である。
そんな様子の雄介を見た望は安心したような顔で見つめてしまっていた。
きっと雄介が帰って来たことに安心しているのであろう。
一日振りの恋人との再会。 そして望の恋人は危険な仕事をしているからこそ恋人に会えるこの瞬間が幸せだったりするのだから。
「……望!」
そんな幸せな一瞬も和也の騒ぎ声で現実へと戻されてしまったらしい。
「望! 聞いてんのかよ!」
「あ、おう!」
「どうすんだよー! 今から行っても診察はアウトだぞー!」
「分かってるよ」
だがこの時望にしては珍しく迷いが生じているようだ。 いつもの望ならきっと直ぐに仕事に行く準備を再開している頃なんだろうが望の口からは意外な言葉が出て来る。
「今日は……大丈夫だろ。 親父に電話して休みにしてもらうように言えばいいだろ?」
「まぁ、望がそう言うんなら……って、俺達はいいけどさ。 裕実はどうするんだ?」
そこまで言うと和也はあることに気付く。
「望にしては珍しいよな……休みにしようってさぁ」
そう言う和也の顔はにやけながら望の事を見つめる。 どうやら和也は望が『休もう』って言った理由が分かったようだ。
「ならさぁ、琉斗預かってやるから、今日は二人でデートして来いよ。 久しぶりなんだろ? 二人きりになれるのはさぁ」
やっと望は自分が言った言葉に気付いたらしく、
「あ、いや……いい! い、行くに決まってんだろ!」
「フフフー、そうやって、どもるとこを見ると、今日は雄介と二人きりでいたいんだろうな。 いいって! 隠さなくてもさ……俺達の仲なんだからさぁ」
今まで黙っていた雄介だが、望の前まで来ると、
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