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ー天使ー82
和也と琉斗と雄介は急いで同じゴンドラへと乗り込み、その後ろで待っていた望と裕実もゴンドラへと乗り込もうとしていたのだが、裕実がゴンドラへと乗り込もうとした直後にゴンドラ入口でつまづき望は動いている乗り物に乗るのは初めてでどうやって乗ったらいいのか戸惑っているようだ。
それを見ていた和也と雄介は溜め息を漏らす。
「やっぱり、俺が望と乗ってやれば良かったわぁ」
「俺も裕実と乗ってやれば良かったと今更ながらに思うぜ」
何とかゴンドラに乗れた二人の姿を見て和也と雄介は安心すると、いつの間にか観覧車は地上から五メートル位まで来ていた。
「なんやろ? 観覧車って落ち着くよなぁ?」
「ホンマ、何でやろな?」
二人は日頃の疲れを癒やすかのように、ゆっくりと窓の外を流れていく景色を眺める。
そんな二人の様子に琉斗は子供ながらに邪魔してはいけないと思ったのであろう雄介の膝の上に大人しく座っていた。
観覧車はゆっくりと地上から離れ四分の一を過ぎた頃だっただろうか、遊園地以外にも色々な景色が見えてくるのだ。
今日の天気は快晴で遠くの方に見える富士山までも見えてきた。
富士山はもちろんのこと、その反対側には東京を象徴するビル群も見え始め地上には湖が広がっていて、その湖は太陽の光りを吸収し湖面をキラキラと輝き自然に出来た宝石のようだ。
きっと、この遊園地で観覧車が人気あるのは、この自然が作り出す湖のおかげなのかもしれない。
そして一番上まで来ると流石は日本一の観覧車なだけあるのであろう。 大袈裟ではあるのだが、太陽に手が届きそうな位な高さまできていた。
「ねぇ!」
そう今まで大人しくしていた琉斗がいきなり立ち上がり、
「太陽、取れるかなぁ?」
そうまた子供らしい質問に二人はクスリとすると、
「なぁ、琉斗。 太陽を取ってまったら、世界中のみんなが困ってまうで……」
その雄介の答えに琉斗は首を捻らせる。
「え? どうして?」
「ほなら、琉斗は太陽がなくなってもうてもええんか?」
その雄介からの質問にまた琉斗は首を捻らせたのだが、
「んー……なんか! 困るような気がする」
「そうやねんやろ? 琉斗が困んねんやったら、みんなも困ってしまうことになんで……。 それに、太陽がなくなってもうたら、雨ばっかしになってもうて、外で遊べなくなってまうしな」
「それは嫌だ!」
「ほんなら、太陽は取らない方がええかもしれんな」
「うん!」
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