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ー天使ー149

 琉斗は雄介の肩の上に乗ったまま、 「やっぱ、雄介おじちゃんは早いねぇ」 「そりゃな……」  雄介は競技が終わると、琉斗と手を繋ぎ望達が居るシートへと戻って来る。  すると一番始めに体を乗り出してまで雄介に問い始めたのは和也だ。 「雄介さぁ、琉斗を連れて行ったみたいだけど、指令はなんだったんだ?」 「コレやコレ……」  雄介はそう言うと、和也へと紙を渡す。 「『好きな人』!?」 「ああ。 多分、幼稚園側では、お父さんが拾ったんならお母さんを連れて行って、お母さんが紙を拾ったんならお父さんを連れて行くって仕組みやったんじゃないんかなぁ? だからな……俺、一瞬戸惑ったんやけど、こんな人が居る中で望を連れて走って行く訳には行かへんかったし、かと言って、姉貴は走れんし、それなら、『好きな人』やって書かれておったんやから、俺にとって望の次に好きやっと思ったのは琉斗やったから、今回は琉斗にしたって訳や」 「そうだったのか。 それに雄介が琉斗を連れて行って良かったんじゃね? 雄介がトップでゴール出来たんだしさぁ」 「せやな……勝ったんなら、良かったかぁ」  それから閉会式を終え園児達は皆それぞれに手作りのメダルを受け取ると、琉斗は雄介達の元へと戻って来る。 「今日は楽しかったなぁ」 「うん!」  雄介は琉斗の手を取ると、美里達と一緒に車へと向かう。 いや正確には、雄介と手を繋いでいるのは琉斗で、その隣りには望という並びで、美里と和也と裕実はその望達の後ろを歩いていたのである。  そんな姿を裕実と和也は後ろから見ていると、自然と笑みがこぼれてくるのだ。 それ程、微笑ましい光景だったのであろう。  それに気付いた美里は和也へと話し掛けると、 「なんだか、あの三人で並ぶと他人の筈なのに親子みたいねぇ」 「美里さんもそう思ったんですか?」 「ええ、雄ちゃんに吉良先生……その間に琉斗。 何だか親子みたいだなって思ってね。 もし、吉良先生が女性だったら、あんな感じなのかしら、ね」 「きっと、そうだと思いますよ。 ま、あの二人には子供は出来ないでしょうから、今回はいい経験が出来たんでしょうか」 「でしょうね。 あの子も二人に懐いているみたいですし」 「ですね」  和也と裕実は車へと乗り込むと、望達に手を振り帰って行く。  そして雄介達も望の車で美里を送りに病院へと向かうのだ。

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