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ー決心ー48

 望と雄介はさっき言っていた通りに、裕二の知り合いで幼なじみだという病院まで辿り着く。  望達が働いている病院は二、三年前に建物自体はそのままで内装と外装は変えて綺麗な病院へと生まれ変わったのだが、裕二の幼なじみが院長をやっている病院は昔からの建物の病院といったところであろうか。 白色の外装が何年もの風雨を受け汚れてしまってもいた。 また前に起きた地震により壁には少しではあるが破損している所もあった。  望も雄介もこの病院には一回も来たことはない。 二人はとりあえず病院内へ入れるであろう緊急用の入口を探す。  救急車以外でも大きな病院であれば熱や怪我をした時には一般の人でも入れる所があるのだから。  望達はその入口を探し始める。  だが緊急用の入口がなかなか見つからず、どうやら病院の外側を回ってしまっていたようだ。  そんな時、数台の車が目に入って来る。  患者用の大きな駐車場は先程、病院の敷地に入った時にあったようだが、今数台車が止まっている場所は、その入口からは反対側で職員用入口も目の前にある。 きっとここは職員が止めている駐車場なのであろう。  とそんな時、望の横を歩いていた雄介が声を上げる。 「あ! あの車や! 歩夢を乗せた車は!」 「……へ? それ、本当に間違いないのか?」 「黒色のワゴンやろ? それと、ナンバーも見事に一致しとるしな」 「……ってことはさぁ、本当に歩夢はここに居るってことか?」 「ま、確実とは言えへんけど、可能性がかなり高くなったっちゅう訳やな」  望と雄介は目の前に建っている病院を見上げる。  流石に日付が変わるであろう時刻では、病院内は真っ暗な上に静まり返っていて非常階段用の緑色の灯りが点いているだけだ。  時折、小さな灯りが見えるのは夜勤の看護師が見回りをしているからであろう。 「でもさぁ、例えば、緊急用入口から俺等が入れたとしても、そっから、どう病院内に入るか? だよなぁ。 緊急用入口付近にはもしもの時を考えて、だいたい警備員が居るしよ。 まずは夜間診療の患者として中に入らなきゃならねぇし、そっから、どう病院の更に奥に入るか? だよな……」

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