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ー決心ー103

「まぁ、これで、多分、大丈夫だと思うけどな」 「どうだろうな? そうだといいけどよ」 「ま、とりあえず、今は助けを待つしかないんやけどな」  確かに今望達の状況では本来なら、こんなに余裕を持って話をしている場合ではないのだが、逆に平常心を保つ為にごくごく普通の会話をしていた方がいいという事だろう。  そして十分もしないうちに望達が乗っている電車にもレスキュー隊が救助に入り、どうにかギリギリの所で望達は助かるのだ。  雄介や歩夢は救助されれば後は帰宅するだけなのだが、望達はそういう訳にはいかない。 これから病院へと向かいまだまだやらなきゃいけない事は沢山ある。  望と和也は病院へと戻ると、あの時の大地震の時のようにロビーからごった返していた。  あれだけの事故なのだから混み合わない訳が無い。  望は裕二を見付けると、 「俺達はどこに入ればいいんだ?」 「君達は手術室に入って欲しいかもしれないなぁ」 「分かった。 何か思ったより患者の数が少ないように思えるんだけど……」 「そりゃ、私が経営している、もう一つの病院にも患者を運んでもらっているからねぇ」 「あ、そうだったんだよな……。 ってことは、今はそっちの病院でも患者さんの受け入れ体制がしっかりしてるってことなんだな」 「私が経営しているのだから当たり前だよ。 今まではダラダラとしていたかもしれないけど……私が経営者になったのだから、ダラダラとはいかせないよ」 「そうだよな。 ま、とりあえず、俺達も手伝うからよ」 「ああ、よろしく」   望は裕二との会話を終わらせると、和也に合図を送り手術室へと向かい次から次へと患者を助けに入る。  次の日の明け方にはほとんどの患者を助けゆっくりと出来た望達であった。  望と和也にとっては二晩寝ずに働いていた事になる。

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