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ー決心ー105
「ま、俺は裕実とは絶対に仕事を一緒にやるってことはないからなぁ。 な、なぁ、話変わるんだけどさ、俺が医者になったらどうする?」
「何、今更そんなことを聞くんだよー」
「そしたら、俺はずっと裕実と仕事が出来るなぁーって思ってよ」
「そういう不純な動機ならやめろ。 雄介にも言ったが、そんな不純な動機で医者になるのだけは止めて欲しいんだけど」
「やっぱ、そうなんだよなぁ」
「それに、医者って職業にはつけるもんなんじゃねぇんだからな。 雄介はたまたま頭が良かったから、まずは医大に入れた訳で……」
「ん? その言い方だと俺は頭が悪いって言いたい訳?」
「あ、いや……そういう訳じゃねぇけどさ。 本当、雄介もお前も医者という職業をなめてねぇ? 本来だったら、そうそうなれる職業じゃねぇんだからな。 それに、医大に入ってからも、相当、金掛かるんだからな……和也にそんな金があるか?」
「流石に金はねぇな。 もう、お袋には頼めねぇしなぁ。 俺はお袋だけしかいなくてさぁ、一人っ子だったんだけど、お袋は俺が高校の時に進路を決めた後、看護学校時代は仕送りして貰っていたのさ、その中に学費も含まれていたけどな。 それから、学費を返すように今は毎月、俺は少しだけど仕送りはしてるけどな」
「そうだったのか」
「まぁな。 だから、もうお袋には頼めないって感じかなぁ? ま、まぁ……今の話は半分冗談みたいな話だしよー」
「それはいいけどさ……お前、この病院で働くようになってから、一回も実家に帰ったことがないんじゃないのか?」
「確かにな……」
「たまには帰った方がいいんじゃねぇの?」
「そうは思っているんだけどさ、なかなか時間が取れねぇんだよなぁ」
「まぁ、そうなんだけどさ。 そういうことなら、親父に頼んで休みの日を一日だけ増やしてもらってもいいんだけどな……ま、和也が本気で実家に帰りたいって言うんだったらな」
「あ、いや……大丈夫! 特に帰る必要はねぇしさ、それに、実家に帰るとお袋が結婚しろって、うるさいしさぁ。 今は裕実が居るから、女性との結婚なんて考えてねぇしさ」
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