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ー平和ー38
そう望は裕実の見えないところで軽く微笑むと、机から立ち上がり、
「丁度、仕事も終わったし、後は雄介にメールして焼き肉屋に来るように連絡しておくよ」
「分かりました。 って、雄介さん、焼き肉屋まで、どうやって来るんですか?」
望は軽く鼻で笑うと、
「裕実って、案外面白いんだな。 それとも、雄介のことを心配してくれているのか?」
「……へ? あ、そういう訳ではないんですけど……」
自分が質問した言葉を思い出し顔を赤くする裕実。
「雄介なら大丈夫だよ。 焼き肉屋位までの距離なら、走って来ると思うぜ」
「そうですよね? 望さん家からなら、歩いて十五分位の距離ですものね」
「そういうこと……。 雄介が最近、運動不足だって嘆いていたから、雄介一人で走って来るのもいいんじゃね?」
「分かりました! では、僕は和也と一緒に和也の車に乗って行きますね」
「分かった……」
裕実は望との会話を終え和也の方へと笑顔を向けると、和也は二人が会話している間に着替えを済ませてきたのか私服姿でソファで寛いでいた。
そして望も着替え終え雄介にメールをしたところ今まで勉強していたらしく夕飯がまだだということで焼き肉屋で待ち合わせになったようだ。
望達が車に乗り焼き肉屋に着いた頃には、丁度、雄介も着いたのであろう。 駐車場で待っている姿が見えてくる。
望は車から降りると、雄介も望達の傍まで駆け寄り、みんなで焼き肉屋へと入って行くのだ。
そして注文を済ませると、最初に言葉を発したのは和也である。
「なぁ、雄介。 望って、歩夢以外にも兄弟が居るってこと知ってたか?」
「……へ? そうだったん?」
雄介は和也のその言葉に目を丸くし驚きの声を上げる。
「ああ。 ってことは、やっぱり、知らなかったよな?」
「知らんかったな」
「とりあえずさぁ。 もしかしたら、望が双子の弟のことを思い出せなかったのは、前に望は記憶喪失になったことがあっただろ? それのせいなのかもしれないしさ。 それで、今日、その望の双子の弟に会ったんだよ。 望の弟の名前は朔望って言うんだけどさぁ。 ホント、望にそっくりで、眼鏡があるかないか位しか判別が出来ない位そっくりだったんだぜ。 初め、俺は望のドッペルゲンガーだと思った位に朔望は望にそっくりだった訳」
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