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【13章】ー希望ー1

 雄介は学校を卒業し医師免許を取ったのは、まだ記憶に新しいことだ。  今日からは望が働く病院で研修医からスタートとなっている。  元消防士だった雄介が、その何年か後にまさか医者になるとは思ってなかったことであろう。  そして望達にとっても夢への第一歩を歩み始めたところでもある。  今日からは雄介も望と一緒で医者になる。  望は父親である裕二から雄介用の白衣を受け取り、今雄介は着替え中だ。  望と和也がソファで雄介が着替え終えるのを待っていると、 「こんなんでええか?」  そう問いながら雄介は更衣室から出てくるのだ。 「ちょっと、キツい気がすんねんけどな……」  雄介がそう言いながら視線を上げると、望が雄介の事を見つめている姿が目に入って来る。  視線が合う二人。  だが、それに気付いた望は直ぐに雄介から視線外し、 「あ、ああ、まぁな……」 「って、それって、どういう反応やねんなぁ」  雄介は直ぐに突っ込みを入れるものの、今度雄介が和也の方に視線を向けるとにやけた和也の顔が入ってくる。 「だーかーら、そこは簡単なことだろ? 望がお前にそう答えたってことがさ。 お前の白衣姿に更に惚れたってことだろうが……。 ま、まぁ、ホント、そういうところ朝からアツいねぇ」 「ちょ! そ、それは、違うんだからなっ!」  和也の言葉に対して望は直ぐに反応したのだから和也が言ったことが本当だという事だろう。 「って、言うけどー、望の顔真っ赤じゃん!」 「うるせぇ!」  望はそう言うと、一息吐く。  確かに望が雄介のことを惚れ直す理由が分かるような気がする。  前のように見慣れた私服や消防士用の制服ではなく、白シャツに紺に緑色が入ったネクタイそれに紺色のスラックスを履きその上には白衣を纏っている姿だ。  いや雄介は何を着ても似合うのかもしれない。 「とりあえず……」  望は立ち上がると、雄介の白衣に手をかけ、 「初日なんだから、シャツのボタンは外さないのと、白衣のボタンも外すなよ……」  望は雄介の身だしなみを直していると、和也が横から口を挟み、 「うわぁー! 新婚さんみたいだな! 朝、仕事に出掛ける旦那さんを奥さんが身だしなみを直している感じだしな」

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