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ー希望ー5
和也はそんな望に気付いたのか、雄介の耳傍で小さな声で話す。
「今日の望、いやに怖くねぇか?」
「確かにそうやねんなぁ。 俺もあんな望今まで見た事ないしな」
「そうだよなー。 俺もあんなに怖い望を見たのは初めてなんだよなぁ」
「どないしたんやろ?」
「さぁ? そこは俺でも分からねぇよ」
そんな二人の横から望はまた、
「お前等さぁ、話してる暇なんてないんだぞ……。 桜井先生は特にだ……」
そう望は目を座らせながら雄介の事を見上げる。
そんな望に雄介は一息吐くと、
「はいはい分かりましたよ」
と言う雄介に望は頭を抱えながら大きな溜め息を吐き、
「お前なぁ、ここをどこだと思ってんだ? つーか、お前はまだ自覚がねぇんだろ? 医者になったっていうさ……。 だから、俺はお前に医者になる資格は無いって、あれほど言ってたのによ!」
「せやかて、医師免許取ることが出来たんやんか」
「そういう意味で言ってるんじゃねぇよ」
望はもう一度、溜め息を吐くと、
「医師免許は取れたかもしれねぇけど、お前の場合、ふざけているとしか思えねぇんだよ。 まず、不純な動機で医者になるって決めたのもマズいんだけどさぁ。 お前から真面目さが感じれなかったら、親父に言って、仕事辞めてもらうし、診療所の話はなかったことにしてもらうか、新城にしてもらうことにするよ」
「あんなぁ、そう言うけどな……俺やって、まだ、初日やし、色々と必死なんやからな。 それに真面目、不真面目なところは、まだ、分からんところやろ?」
「まず、その言い方だと真面目にやっていないということが言い切れる。 何で、自信を持って、『俺は真面目に仕事をしてる』と言い切れない? それは真面目に仕事をしてないからだろ?」
「そういう訳じゃなんやけどなぁ……」
雄介は何故か望から視線を反らすと、
「……ただな。 初日やって事を言っておるだけなんやけど……」
「それはさっき聞いた。 だから、そういうことを俺は言ってんじゃねぇんだって言ってんだよ。 じゃあ、何か仕事に関して真面目にやってたことはあるか?」
そんな二人のやりとりに和也は目を丸くしながら見ていた。 寧ろ見ているしか出来なかったという方が正しいのかもしれない。
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