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ー信頼ー89
そんな事を話していると、望と裕実がお風呂から上がって来たようだ。
「二人で何を話ししてたんだ? 何か和也が項垂れているように見えるんだけど……」
「そうですよねぇ。 確かにいつも元気な和也が元気が無いように見えるんですけど、まさか!? 和也と雄介さんが喧嘩してしまったとか!?」
裕実はそこまで言っておいて『言ってはいけない事を言ってしまった』とでも思ったのか、思わず自分の口を塞いでしまっていた。
「違うわぁ。 なんかなぁ、さっき、和也の奴、オカンと電話してたやんか、そんで、次回の定期便で和也のオカンがこの島に来るって言っておって、そこから、和也が落ち込んでまったみたいなんやわぁ」
「そうだったんですか? って、お母様が来るのっていい事だと思えるんですが……。 まぁ、僕の場合にはもう二度と会いたくないですけどね」
「ん、まぁ……裕実の場合にはしゃーないわなぁ。 あん頃っていうのは、DVって言葉が無かった時代やったし、それで、問題になる事なんか無かった時代やったしな。 しかし、何でやろうなぁ? 和也の場合には普通の家庭環境で育って来たんやろ? ま、でも……確かに望も俺も親にはめんどくさいと思う所あんねんから、まぁ、そういう事なんやろな」
「まぁ、そういう事……。 確かに親は母親しかいなかったけど、普通の環境だったと思うぜ。 だけど、なんつーのかな? 母親だけだったから、母親は父親の代わりをしなきゃなんなかったんだろうし、すっげぇ、躾の面では怖かった印象だったんだよなー。 だから、いつまでも結婚もしないでフラついている俺の事、心配してんだろうなーって思ったんだよ。 やっぱりさぁ、普通に男同士と付き合っているなんて事、親には言えない訳だろ? まぁ、ほら、望の所は親が認めてくれているようなもんだからいいけどさ。 俺の親はそこの所分かってもらえないかもしれねぇからな」
「でも、さっきの電話でその事を言われた訳じゃないんやろ?」
「確かに、言われてもねぇけど、話題にもなんなかったから話さなかったっていうのかな? だから、まだ、確かにそこは分からない所なんだけどな。 やっぱ、普通に考えて男同士で付き合ってる事。 認めて貰えるもんなのかな? っていう所だな」
「じゃあ、もし、僕達の事を和也のお母様に認めて貰う事が出来なかったら? 和也はここを辞めなければならない事になるんじゃないんでしょうか?」
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