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ー信頼ー113

「和也さん……そうやって、首を振ってるけどさぁ。 聞かないと分からない事だってあるでしょう? 和也さんの場合には兄さんの事を怒らせたり傷付けたりしたくないから、ちゃんと詳しく聞こうとしないんだと思うんだけど……。 さっきの兄さんの言い方だと言いたい事はあるんだけど言いたくは無い。 または、言えない。 っていう所かな? それを心の中で溜めておいたんじゃ、自分の思いを相手に伝える事は出来ないし、ストレスの原因にもなってくるんじゃないのかな? それに言いたくて言葉を止めてしまったんだから、本当は言いたいんだと思うしね」 「だけど、お前の場合にはホントそういう事ストレートに聞きすぎなんだよっ! 今、望が言いたい事っていうのは望が言葉にしなくても俺にはちゃんと分かってる。 だから、望に色々聞きたい時っていうのは遠回しに聞く事がベストなんだよ。 お前は、まださ、望と会ってから、そんなに経ってないし、望の性格を知らないから、そういう事、普通に聞けるんだと思うぜ」 「そこは、本当の兄弟なんだから、もうちょっと僕に心を開いて欲しいかなぁ? って思う所なんだけどな。 まぁ、和也さんの場合には友達または親友っていう関係だから、そんなに喧嘩したくないっていうのがあるからそう頭の中で変なストッパーみたいなのが掛かっちゃうからなんじゃないのかな? ま、友達以上親友っていう関係だから、いつでも縁というのは簡単に切る事が出来てしまうしね。 そうそう、だから、兄さんに対して遠慮しなきゃっていう心理が働いてしまうから兄さんの対して強く言えないって所なんじゃないのかな? だけど、僕と兄さんの関係っていうのは、兄弟っていう関係だから、これから一生切っても切れない関係だから、喧嘩しても問題無いって訳……」  その朔望の言葉に和也はため息を漏らすのだ。 「なんか、お前ってすげぇのな。 流石の俺も降参……俺の負けだわぁ……」 「……って、言葉に勝ったも負けたも無いでしょ」 「え? あ、まぁ、そうなんだけどよ……」 「……って、まだまだ和也さんの方は何か言いたそうなんだけど?」 「んー、でも、まぁ、いいや……また、同じ事の繰り返しになっちまうしな」 「まぁ、ある意味、僕も和也さんには負けたけどね。 完全に話すり替えられちゃったしね。 とりあえず、小学校に着いたから、兄さんの事連れて、体育館の方に行こっ! 今日はここでみんなと一緒に過ごさなきゃなんないんだしね。 まぁ、話はそこでも出来るでしょ」  朔望は車から降りて、さっき同様に望の脇を和也と固め抱えると体育館内へと入って行くのだ。

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