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episode1-1
「ふわぁ…、んぁ、侑稀、はよ…。」
「はよ。安定の30分遅刻お疲れさま笑」
階段教室の後ろから2列目、俺の隣にいつも通り座ってきたのは千鶴京[チヅル ケイ]という男だ。
大学1年のど頭にたまたま学籍番号が後ろだったからって理由で話すようになったきり
もうなんだかんだ1年も一緒にいる。
「はー、まださみぃな、4月なのに。」
「そりゃお前の髪がまだ生乾きだからだろ?」
「朝から離してくんなかったんだよ。」
「彼女?」
「まあ、そんなとこ。」
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