58 / 213
episode3-6
例えば俺が女だとして
藤井先輩に相談してこんな答えが返ってきたら
誠実な人なんだなって思うに決まってる。
「にしても珍しいな、高野が俺にそんな話するの。」
「……普段は、相談するやつなんて決まってますから。」
「あー、……なるほどね。」
そーゆーことね、と藤井先輩はにやり、と笑って
うまくいくといいな、と俺の肩を叩いた。
「え、あ、別に違いますよ、違いますからね?」
「はいはい。」
ほら早く歩かねぇと遅れるぞって
先輩に背中を押されて
俺はわかってますよ、と少し前を歩いた。
ともだちにシェアしよう!