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episode3-6

例えば俺が女だとして 藤井先輩に相談してこんな答えが返ってきたら 誠実な人なんだなって思うに決まってる。 「にしても珍しいな、高野が俺にそんな話するの。」 「……普段は、相談するやつなんて決まってますから。」 「あー、……なるほどね。」 そーゆーことね、と藤井先輩はにやり、と笑って うまくいくといいな、と俺の肩を叩いた。 「え、あ、別に違いますよ、違いますからね?」 「はいはい。」 ほら早く歩かねぇと遅れるぞって 先輩に背中を押されて 俺はわかってますよ、と少し前を歩いた。

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