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episode4-21

シャワーを浴びて戻ってくると テーブルにはパンが用意されていて テレビを見ていた京が、今日バイトは?と俺に聞いた。 「夕方から。京は?」 「俺も今日は夜バイト。」 「ふーん。」 じゃあ先帰って寝とくわ、と俺が言うと どこか上の空であぁ、と返事をした。 「……京?…どーかしたか?」 「別に、なんもねぇよ。朝ごはん冷めるぞ。」 「…?」 いつもなら朝起きてからもひっついてきて鬱陶しいくらいの京が 不自然なくらいに普通なのだ、距離感が。 「…今回は記憶とんでねぇの?」 「曖昧だけど大体は覚えてる…と、思う。」 俺が言うと そっか、と京は視線をテレビに戻した。

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