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episode4-39
「あ、待って、京、」
侑稀に呼び止められて、振り向いた瞬間
ちゅ、と俺の唇に侑稀の唇が触れた。
「………いつも、京からばっかりだから。」
ふぃ、と俺から目を逸らして赤くなる侑稀が可愛くて
俺はもう一度強く抱きしめた。
「ちょ、何、シャワー浴びに行くんじゃないの、」
「……誰のせいでまだ行けてないと思ってんだよー…。」
きっと俺がシャワーから出てきた時にはまた眠ってしまっているだろうから
つい離したくなくて、腕に力がこもった。
「ベッドで待ってるから、早く行ってこいって…。」
明け方になるだろ、と侑稀に言われて仕方なく体を離して
もう1回、とキスをねだると珍しく素直で。
ほんとにもう可愛いどころじゃない、と思いながら俺はその場を離れた。
【京side.end】
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