「お前どんだけ金持ってんだよ…。」 「ん？この前の模試でねー、1番だったから好きなだけ買っていいよって。」 ママが言ってたんだもん、と美玲は得意げに言って どれにしようかなぁ、と洋服を物色し始めた。 「ねぇけーくん、こっちとこっち、どっちが似合う？」 「ん？あー…、こっちじゃねぇ？」 「やっぱりー？んー、じゃあこっちにしようかなぁー。」 ひと夏分以上あるだろ、とツッコミたくなるほどの服の山を目の前にして 鏡の前でうんうん唸りながら美玲は服を決めていく。 「美玲よく来るんすか？」 「よく来てくれますよー。うち、あんまり小学生向けじゃないんですけど、美玲ちゃん大人っぽいから。」 よく似合いますよね、と店員さんは笑って俺に言った。