146 / 213

episode5-32

「ん、ちょっ、長いっ…!」 「いや?」 「嫌じゃ、ないっ、けどっ…、んっ…、」 何度も何度も角度を変えて まるで俺のことを貪り尽くすように 京のキスは、悔しいくらいに上手い。 「も、ちょ、立ってらんないっ…、」 「…ソファ座る?…それとも、ベッド行く?」 俺はもうこんな状態なのに 京はまだまだ全然余裕そうで。 「……ベッド。」 俺は京の耳元で、ぼそっと呟いた。 「……連れてってくれないと嫌。」 「ふっ…。はいはい、」 仰せのままに、と京は笑って ひょい、と俺の体を抱き上げた。 「………侑稀、また軽くなったろ。」 「……知らね。」 「ったく…。」 せっかく健康的になってたのに、と京は言って そっと俺をベッドに下ろした。

ともだちにシェアしよう!