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episode6-28

京に手を引かれて駅の方まで歩くと こっちこっちー、と律が手を振っているのが見えた。 「おお、はよ。」 「うぃ、おはよ。眠そうだねぇ、侑稀君。」 「んー…、はよ、律、」 初めて会ってから、そのあとも何回かBARで顔を合わせていたから 今では俺も普通に友達って感じだ。 「てか荷物少なっ、」 「そうかぁ?律が多いだけだろ笑」 「一応女だからねー、これでも。」 そんな話をしていると 律の後ろからそろっと少女が顔を覗かせた。 「……あ、紹介するわ。私の彼女。」 そう言って俺たちの前に出てきた彼女は 写真で見た時よりも薄く透けてしまいそうだった。

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