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最低最悪のクリスマス

 どうして、こんなことになったんだろう。  両腕は頭の上で、両足は太ももとふくらはぎをくっつけるように拘束されたまま、俺の尻穴には男性器を模したオモチャが突き刺さっている。  口にはガムテープが貼られ助けは呼べない。  目の前には俺をこんな目に遭わせている張本人である男がニヤニヤと笑いながらこちらを見ている。  赤い衣装を纏った男。そう、サンタクロースだ。 「今日はクリスマスイブだよ。メリークリスマス、瑞希くん」 「んんっ! うううっ!」 「サンタさんからのオモチャのプレゼントは気に入ってくれたみたいだね」  サンタさんはそう言って、俺の尻穴に突き刺さっているオモチャをぐちゅぐちゅと動かしはじめた。  俺は幼い頃、サンタクロースを見た。  夜中、床に置いていたプラモデルの塗装用缶スプレーが倒れる音で目が覚めたのをまだ覚えている。 「サンタさん?」 「シー……」 「本当にサンタさんっていたんだあ。でも今日はまだ23日だよ?」 「サンタさんは、プレゼントを届けるおうちの下見をしないといけないんだよ」 「大変なんだねえ」 「そうだね。キミ、名前は?」 「ボク? ボクは瑞希だよ」 「そう。ほら瑞希くん、もうおやすみなさいして」 「うん」 「当日はちゃんと寝てないと、プレゼントもらえなくなっちゃうからね」 「はぁい」  それから俺がサンタクロースに会うことはなかった。  なのにどうして今さらサンタクロースが目の前に現れたのだろう。  学校帰り俺はサンタさんに声をかけられた。  声を聞いて、あのときのサンタさんだとすぐに気がついた。  でも、サンタさんは俺をトナカイのソリではなく、どこにでもあるハイエースに押し込んで、あっという間に俺の制服を脱がせて縛り上げてしまったのだ。  そして今、俺はサンタさんにプレゼントされたオモチャで体を弄ばれていた。  オモチャで広がったお尻の穴の周りをサンタさんは指でなぞるように触ってくる。 「んぐっ! んんっ!!」 「ああ、もうこんなにぐちゃぐちゃになって。エロい体だね」  サンタさんが俺の尻に突き刺さっているオモチャをゆっくりと抜いていく。 「んうぅ……」  ずるりと抜けていく感覚にたまらず声が出てしまう。 「瑞希くん、かわいいね。もっと声聞かせてね」  サンタさんが俺の口に貼られていたガムテープを剥がしていく。 「サ、サンタさん、なんでこんなことすんだよ! やめろよ……こんなの」  サンタさんにやめてほしいとお願いすると、オモチャを抜け落ちないギリギリのところまで引きずり出したところで止められた。入り口のところが奥まで入っていたときよりも広がってむずむずする。 「瑞希くんってさぁ、本当にサンタさんのこと信じてんの?」 「だってサンタさん、昔うちに来てくれたじゃん」  サンタさんが大きな声で笑いだす。 「バカなクソガキだなあ……お前さあ、サンタに会ったご機嫌な記憶しかねえのかよ。まあ、そりゃそうか。お前んちは被害に遭ってねえもんな」 「被害……?」 「そう。俺はサンタでも何でもなくてただの泥棒。子供部屋から侵入するのが楽だからいつもそこから忍び込んでんの」 「ウソだ……だってあのときプレゼント配るお家の下見だって……」 「だからあ、それがウソだって言ってんだろうが。クリスマスの夜、お前んちの近所が泥棒被害に遭ったの覚えてねえのかよ」  あれは、10歳の頃だっただろうか。さすがにサンタクロースは存在しないことを薄々感じていた頃だ。  それでも心のどこかではまだサンタクロースの存在を信じていたんだ。  だからあの夜。サンタを名乗る男の人が自分の部屋にいたときはとても嬉しかった。  お母さんやお父さんに言えばサンタさんがもう来てくれない気がして言わなかった。 「お前んち結局下見できなかったからな。でもまあ、お前は可愛いかったし、いつかお前をあの家から盗んでやろうと思っていたんだよ。あれからもう7年だっけか? お前、頭悪そうだけど、いい具合に成長したじゃねえか」  サンタさんが赤い帽子を取ると一緒に口元の白い髭もはずれてしまった。目の前のサンタさんは年上のかっこいい男の人だった。  そのまま俺はサンタさんにキスをされた。 「あう……ん」  舌を舐めとるようなキスは、腰が痺れるような不思議な感覚がした。唇が離れると、自分のなのか、サンタさんのなのか、どちらのものかわからない唾液が互いの唇についていている。  気が付けば、自分のちんこが硬く勃ち上がり、先端が潤んでいた。 「勃ってんじゃねえか。かわいいなあ」  サンタさんもそれに気がついたらしく、今度はずぢゅぢゅ、とすごい音を立てて勃ち上がった俺のちんこにしゃぶりついてくる。 「あぅ……あ、ああ!!」  そういう行為があることは知ってはいるけれど、されたことはない。  はじめての気持ちよさに俺はあっけなく溜まった熱を放出した。 「いっぱい出たな。じゃあ、サンタさんのちんこもプレゼントしてやるな」  オモチャが完全に引き抜かれて、代わりにあたたかいものが俺の尻にピタリとくっついた。 「あ……っ!」  サンタさんの大きなそれが簡単に俺のお尻の中に入り込んでいく。 「サ、ンタさ、あっ、やめ……あぐっ」  お尻に柔らかなものが当たったと思えば、それはサンタさんの性器周りの毛で、それが俺のなかにサンタさんのそれが全部が埋まったことの証しでもあった。 「お前のナカ、締まり最高だな」 「ひ、ぃ……」 「なあ、瑞希くん気持ちいか?」 「わかんな……おしり、くるしッンン!」 「気持ちいいって言えよ! ほら!」  サンタさんが急にずるんとおちんちんを引き抜いてきた。この、引き抜かれるときがなんとも言えない気持ちよさを感じるのは確かだった。 「ああ~ッ、きもちぃです! アヒッ! ああ……ッ、アグッ! ああ……んうぅッ」 ちんこを出し入れされる度にそれに合わせて声が漏れる。堪えようとしても堪えられなかった。 「瑞希くん、おもちゃみたいでかわいいぞ」 「サンタさっ、あうぅ、そんな、むちゃくちゃしたら、お尻、ひっ、めくれちゃう……やめろよぉ!」 「そう簡単に捲れねえから大丈夫だって。それにほら、またちんこ勃ってきてんぞ」  とろとろと垂れてきた先走りに濡れた先端を指先でくるくると弄られると気持ちよさにきゅん、とお尻の穴が窄んだ。 「あ、その締め付けいいな……あー、でる、ナカ出すからな!」  体の奥でサンタさんのちんこが波打ちながら、熱い精液を吐き出していた。ぬちゃ、と音を立てて俺の中からサンタさんのちんこが抜け落ちると同時に、とろりとサンタさんの精液が中から溢れだした。 「ほら、お前もイけよ」 「あっ、イ……く、イくっ!!」  サンタさんが俺の硬くなってるちんこをぐちゅぐちゅと扱きあげ、俺はあっけなく果てて、サンタさんの上着を汚した。  強い快感にぐったりとしていると、サンタさんは俺にキスしながら「これからもたくさんエッチなことしような瑞希くん」と囁いた。 「や、やだよ……こんなの二度とするか!」 「別にいいけど。断ったり警察に喋ったら瑞希くんのエッチな動画や写真、学校とネットにプレゼントしちゃうよ?」  サンタさんの視線の先には小さなカメラがセットされていた。 「そうなったらもうお前、普通の生活できなくなるよな。いいのか?それで」 「そんな……!」 「だったら、わかるよな?」  サンタさんは笑っていた。  それからサンタさんと連絡先を交換して、家の近くまでハイエースで送ってもらった。 「メリークリスマス、瑞希くん。今日プレゼントしたディルドでたくさんアナニーしてね。あと、アナル処女のプレゼントありがとう。また連絡するからね!」  そう言って走り去っていくハイエースを俺は見送り、スマホに登録された新しい連絡先を眺める。 「三田、九郎……って、本当の名前かよ」  開いたままのお尻の穴がむずむずする。  帰りついた家にはまだ親は帰ってなかった。今日も仕事で遅くなるのだろう。  俺は自分の部屋に入ると、カバンの中からサンタさんにもらったオモチャを取り出してそれと一緒にベッドの中に潜り込んだ。

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