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第1話
寒い2月の昼下がり、暗い乾いた部屋の中。
窓の隙間を通る風、冷えて冷たいマグカップ。
寝床に付した厚い本、乾いたシンクと洗い物。
これが最後と訪れて、目にした彼の眠る様。
(ごめんなさい。これで最後にします。)
少年と青年のちょうど間くらい、成長途中の少年は、眠気に耐えられず寝てしまったようだ。付けっ放しテレビがうるさい。あまりに耳障りでコードから引き抜くとパツっ音を立ててテレビが消える。画面が熱くなっている。
部屋の主が起きないように足音を立てないように歩く。窓を開けたまま寝てしまったようで、布団からはみ出た指先が冷めている。窓を閉め、カーテンを閉め、口を開く。
「プレゼント、飲んでくれたんですね。嬉しいな。」
眠る彼には届かないとわかっているが呟いてみる。
目を覚まさないと分かっているから触れてみる。
長い睫毛と幼い輪郭。澄んだ目が隠されているまぶたの膨らみ。頰の毛はまだ透明で、手足は細いままだ。
大人と同じ機能を持つ内蔵は、大人のように平たく硬くはなく、幼児のように丸い腹。
柔らかい皮膚に守られた貧相な体に触れる。血の色がなく人形のようで美しかった。
決してありえないとわかっているが声が返ってきた気がした。
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彼に触れると眠ったままだが反応がある。
ピクピクと震える長い睫毛が愛おしい。
「目を覚まさないなら続けますよ。」
落ち着いていた寝息が浅く速いものになる。
終始無言で眠った彼を犯す。
暴れる君も好きだ、けど最後くらいは従順なのも見てみたかった。
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事が終わるといつも冷静になる。
冷たい手と弾力を失い腐りかけた内蔵。
慣らさず挿入しても血の出ない体。
「罪を背負うのは嫌なんだ。償うのも、反省するのも嫌いだ。」
少年の隣で眠りたい。
放置されていたコーヒーを胃に押し込むと、少年の隣で横になる。
あと何分で息絶えるのかな。
きっと私は地獄行きだ。
君はどうやっても手に入らない。
・・・
「午後のニュースをお伝えします。
昨日、午前10時ごろ、◯◯県◯◯市の民家で行方不明になっていた小林健斗くんが発見されました。発見された時にはすでに死亡しており暴行された形跡や乱暴された形跡が複数ありました。発見された場所では犯人と思われる男の遺体も発見されました。いずれの痛いからも有毒の物質が発見されています。」
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