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Ⅱ 俺と大使と総理③

ぷに 「かー君」 「……」 「お顔見せて」 「……」 「かー君ってば」 ぷにぃ~ 指が頬っぺたを突っつく。 「お土産に、かー君の大好きなクマさんのぬいぐるみ買ってきたよ」 「……」 「君は、ぬいぐるみがいないと眠れない泣き虫さんだからね。おっきくなった君が、ぎゅー★できる特大クマさんだよ」 おい、大使!俺がいくつの話をしてるんだっ 「そう言えば君、最近コーヒーに凝ってたよね? グァテマラのコーヒー農園一つ丸ごと買ってきたよ。産地直送で新鮮な豆が空輸されるから、美味しいコーヒー飲めるよ!」 規模が違うな、大使。 「あ、後ね。グァテマラの鉱山で新鉱物が発見されたんだ。……これだよ、これ!」 わっ!この人、なにポケットから出してんだッ 「綺麗な緑だろ。……うん、思った通りだ。君の肌によく映える。 一目で君に似合うと直感したから、買ってしまったよ」 衝動買いするなー! 「ビューティー★カイ……なんて、どうだろう?」 「なにが?」 「宝石の名前さ。命名権も買ったんだよー」 「なにィ」 「ビューティーか~い?」 オヤジギャグかーッ 「世界に恥さらすなーッ」 ダサ。 ★いらん。 間の★!! 「夜は美味しい物を食べようか。かー君は、なに食べたい?」 ぷにぷに、つんつん 「お寿司かな?それとも、すき焼き?湯どうふもいいね。体があったまるよ……あっ」 「はぃ?」 どうした、大使? 「分かったよ!」 なにが? 「かー君が今夜、一番食べたいのはカレーだね!」 つんつんつん 「君の愛らしいお口に、あーん♪で食べさせてあげる。腕によりをかけた具だくさん♪パパ手作りカレー!たーんと召し上がれ」 「た・い・し~~」 「カレーが待ちきれないのかい?公務を片付けたら真っ先に帰るね。今は指で我慢だよ。ちゅーちゅーするかい?」 「俺はッ」 「パパの指、吸おうか。ちゅーちゅー」 「俺はそんなの欲しくないんだァァーッ!」 俺が欲しいのはッ ……「なんだい?」 闇色の瞳が低くささめいた。 青い天空高くそよぐ風に吹かれて…… 「パパがなんでも買ったげるよ」 あなたは、いつも…… 笑顔ではぐらかす。 だったら…… 買ってもらうよ。 「俺が欲しいのは、この国だ」 ねぇ、パパ 「日本を買って」 「いいよ」 ……………………へ。

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