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炭酸-tansan-2
「しゆちゃんが幸せそうな顔してるなぁって思って。」
「なんだよ、いきなり。」
眼鏡をクイッと上げる。
そりゃあ二人でこうしてのんびり過ごせるのは幸せだろ。仕事じゃなくて素のままで居れるのは、あんた以外いないんだから。
「俺も同じ気持ちだよ?しゆちゃん。」
肘をついて首を傾げて俺に言う。
「だから、何も言ってないって…。」
「言わなくても分かるのー!」
(ホント…変な奴。)
「お待たせしましたー。朝食セットおふたつと、アイスティーにメロンソーダです。メロンソーダは良くかき混ぜて召し上がってくださいね。」
テーブルに並べられた御馳走は、どれも朝日でキラキラ輝いて見える。
「いただきまーす!」
早速樹矢はセットのサンドイッチを頬張る。
もぐもぐ幸せそうに食べる彼を見てるだけで微笑ましい。
「いただきます。」
同じようにサンドイッチを頬張る。
しばらくお互いに無言で、店内の客も俺らだけだからか静かなゆっくりとした時間が流れる。
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