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誘い-sasoi-2
唇に樹矢の唇が降ってきた。
「ダメなわけないじゃん。こんな可愛い子の可愛いワガママ断れないよ。」
ぎゅうっと抱き締められる。
身体は温かい。体温と彼の匂いで安心に包まれる。
「ありがと。楽しみ。」
耳元で伝えて樹矢の頭を撫でる。
服の中に手が入り込んできて俺の腰を触った後、胸に向かって伸びる。突起物に触れて、指先でコリコリと転がされる。
触られる前から硬くなっていた俺の乳首は、きっと自分では無意識だけども触れて欲しかったのだろう。
「んぅ…。」
「しゆ、いい…?」
俺は顔の見えない樹矢に返す。
「嫌だなんて…言えないよ…っ。」
その言葉でスイッチを押したのか、俺の服を捲りあげて脱がせると自分のも素早く脱ぎ捨てる。
リビングの照明を消すことなく、丸見えの裸は見慣れているのに照れる。
「可愛い、好き。しゆ。」
チュッとキスをする度に、樹矢が好きと伝える。
リップ音が耳を支配していく。
熱の篭った吐息が興奮している事を示す。
「んぅ…ん…。」
キスに夢中で力が抜けると、快感が迫ってきた。
自分では制御できない昂ぶりは、樹矢の仕草一つ一つで更に昂進する。
「好き…好き…。しゆ…っすき…。」
(可愛い…。)
俺の事を好きと言う樹矢が可愛くて愛おしい。
出会ってから幾度も感じたこの気持ちは、溢れては相手に注いでまた注がれる。器は欠けることなく、割れることもなく、募っては溢れて救い出してくれる。
「みぃ…くん。しゅき…。」
いつまでもこんな関係でありたいね。
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