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最終話

「名波さん、身体大丈夫?」 イった余韻から動けないままの俺を腕枕しながら瞬が心配そうに聞いてくる。 「大丈夫……つーか、ドライってなんだよ、マジで身体おかしくなったかと思った」 「ドライって射精を伴わないでイき続けること。より感じた時に起きるんだよ」 それって今日はいつもより感じてたってことを証明されてるみたいじゃないか。 なんか恥ずかしいんだけど…… 「……へー。そうなんだ」 少し気まずくて軽く身体を捩ると、瞬が俺を覗き込むようにすると背中から抱きついてきた。 「また俺で開発されちゃったね」 「開発って……」 「ドライさせたの名波さんが初めてだよ。アイツもドライしたことなかったもん」 「あっそ。つか、その……お前の恋人とは……」 「あぁ、アイツにはフラれた」 「はぁ?!いつっ!」 ずっと密かに気になっていた、瞬の本当の恋人。 アイツにも秘密にしてる関係だからこそ、このままじゃいけないと思ってはいたのだけど、聞けばとっくにフラれたらしい。 「俺が、名波さん好きなのバレバレだったみたいでさ、結構前にフラれたんだよ」 「なんで、それ早く言わないんだ」 「だって、言ったら名波さんのこと抱けなくなっちゃうじゃん?だから黙ってた」 「あのなぁ……」 まさかそんな理由で黙ってたなんて……どんだけ…… 事の真相に、盛大にため息を吐こうとしたら、身を乗り出してきた瞬が俺を見下ろし…… 「だから、思う存分俺に溺れろよ」 そう、告げてきた。 そして、そのまま唇が近づいて今日何度目かの口を塞がれると、溺れるような激しいキスを仕掛けてくる。 唇、額、頬、首筋……と次々とキスを落とし、最後に瞼にキスをして、瞬は再び口を開いた。 「……それに、ここのホクロ、もう誰にも知られないようにしろよ。恋人の俺だけが知ってたらいい」 そう、生意気な口調で告げられた。 全部暴露してすっきりしたのか知らないけど、急にそんな独占欲剥き出しにされても戸惑うだけだろと思う反面、ちょっと嬉しいと思ってしまう俺もかなり毒されてるのかもしれない。 「いつから恋人に昇格したんだよ、生意気なガキだ」 だけど、気を許すとろくなことがないから悪態を吐いて背を向けると、背中に額を付けながら瞬が何かを口にした。 「なんか言ったか?」 「……ちゃんと、仕事も頑張るから……だから、航平の恋人にして」 まったく…… 急に素直になると返事に困るだろ。 しょうがないな…… いつか、ちゃんと気持ちの整理がついたら渡そうと思っていた物をベッドサイドにある棚の引き出しに手を伸ばし取り出すと瞬にそれを渡した。 「お前にやるよ、開けてみろ」 「え……これ」 ちょっと早かったかもしれないけど、どの道渡すなら今だってさほど大差はないだろうと俺もこいつに指輪を渡した。 その指輪に埋め込んだ石は…… Diamond Emerald Amethyst Ruby Emerald Sapphire Tormaline “ DEAREST……愛しい君へ” そして、 「……瞬、これが俺の返事だ」 そう告げると瞬は嬉しそうに微笑んだ。 END

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