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愛してるから我が儘になってる!(1話完結)
「かー君、見ーっけ♪」
ギャー♠
(なぜだ?)
どうして?
どこに潜んでも、どこに逃げても……
「見つかるんだーッ」
「パパとかー君が両想いだからだよ♥」
「ちがーう!」
想いが通じ合うから両想いなんだ。
俺の想いは一方通行
「ちがうよ。かー君の想いは、ちゃんと私が受け止めているよ」
「ちがーう!」
あなたは単に俺を抱っこしているだけ。
下ろせー!
バタバタバタッ
「……さぁ、かー君」
切れ長の宵闇に飲み込まれる。
あなたの瞳に……
「準備はいいかい?」
よくない!
「分かってるね?」
分からない!
「ここは我が家の玄関だ」
そうだね。あなたに抱っこされて無理矢理、移動させられたんだ。
「今から私はお出かけだよ」
「……」
「かー君?」
つんつん
頬っぺた突っつくな。
おこ💢だから頬っぺた膨らましてるんだ。
「パパに行ってらっしゃいのちゅーだよ」
つんつん
今度は自分の頬っぺたをつついている。
「ここでもいいよ」
唇突っつくな。何気に下唇舐めるな。エロいわ!
「早くちゅーしないと、パパ出掛けちゃうよ?」
「出掛けろー!!」
公務じゃないだろ?
近所のコンビニに行くだけだろ。
「コンビニだって立派なお出掛けだよ」
「あなたはもっと立派な大使になれ」
「パパのイチモツは立派だよ!!」
でんっ★
「ムギャアァァァ~~♠!!」
………………こんな家……やってられるか。
家出します。
俺を探さないでください。
「そんな事を言わないでおくれ」
大きな手
幼い頃、俺の頬を包んで、涙を拭って、
手を繋いで迎えに来てくれたパパの節張った大きな手が、髪をそっと撫でた。
あの日と同じ温もりで……
櫂 、約束したの覚えてる?
「君がどこにいても探し出す。どんなに離れていても、どんなに遠くにいても……必ず君を見つけるよ」
だって、私は………
「君にだけ反応する、パパの股ぐら♪『君レーダー』があるからねー♥!!」
「ギィヤアァァァァ~~♠♠♠」
デカいの勃ってるーッ!!
「どこにいても、どんなに離れていても、どんなに遠くにいても『君レーダー』が膨らむよ~♥」
君を見つけるから…ね?
チュっ
おでこに柔らかな温もりが舞い降りた。
「次は君の番だよ。パパにキス、できるかな?」
パパは大使で、
《黒陰の使徒 》の異名を持つ、有能な政治家。
俺のパパで、俺の家族で、
………………俺のα
パパの唇
俺の唇で触れて、あなたに口づけを………
「ねぇ」
「な、なに?……パパ」
唇が触れるまで数ミリの、こんな至近距離で話しかけなくてもいいのに。変に緊張する。
冷たい人差し指がすっと、俺の唇を塞いだ。
「キスはここでもいいよ」
ブルンブルン、ブルンッ!!
「ギャアアァァァァーッ♠♠♠」
天を仰ぎそびえ立つ、筋の浮き出た太くて卑猥な形に変貌した巨大な幹!!
「パパの股ぐら♪君レーダーだよ~♥♥♥」
ドクンドクンッ
「ブルンッブルンッ!君反応あり。ブルンッブルンッ!」
ビュクンビュクンッ
「かー君がそばにいるから膨らむよー!」
ギャッ、また大きくなった。
先っぽテカテカしてる~
「イエーイ✌君に見られて、股ぐらのムスコが元気だよ。
君の目もハートになってるね♥私の分身に釘付けだ。ダブルピース✌✌」
「誰の目がハートだって~~💢」
油断すると暴走するから、目が離せないんだァッ
あなたのワイセツ物から!
「さぁ、君もパパと一緒にダブルピースしよう✌✌それとも、勃起したちんことちんこを重ねてイエーイ✌金玉も一緒に揺らしてイエーイ✌ちん……」
「言うなァァーッ!!」
「ちんこピースがいいかなー?」
「言うなと言っとろうがァァァーッ!!」
この変態α大使がァァァーッ
「二人の股ぐらでVの字を掲げよう!愛の証だよ」
「性欲の証だわーッ」
「君を求める私の性欲は∞ だよー!!」
「そこは愛って言えーッ」
あなたの愛は歪んでいる。
正義の鉄槌!天誅だァァー!
ブチュウゥゥゥ~~
こんな唇塞いでやる。
俺の唇で塞いでやる。
押し倒したあなたが、俺に組み敷かれて。妖艶な火を灯した闇の双眸が、体躯の下で俺を見上げている。
あなたはパパで、家族で、俺のα
俺のαだから、あなたの唇は俺のもの
嫌とは言わせないよ?パパ
(約束したよね)
「パパが欲しい」
俺の欲しいものは全部
『パパがなんでも買ったげる』って……
……「外交使節 最高長官《シャドーサーヴァント》が『奥津 セイゴ』をお買い上げだ」
君にあげるよ、私の全てを
「私の取説は分かるかい?」
「……そんなの知らない」
「結構。知らない君に教えるのが、私だよ」
あーんなことも、こーんなことも……
「パパが全部教えたげる」
節張った指が引っ掻くように、目尻を撫でた。
「泣かせてみたいな」
えっ……
「大好きな君だから、私しか聞けない鳴き声で泣かせてみたい」
「そんなの……できない」
「できるようにしてあげる」
どうして?
……どうしても。
αとしての、男の独占欲だよ。
「かー君」
宵闇の瞳に吸い込まれる。
俺の意識も心も、あなたの奥深くに……
深く、深く
引力に逆らえない。
俺は、あなたのΩだから
「……こういうのも、たまにはいいね」
宵闇の水底が揺らめいた。
「玄関で君に組み敷かれて、君を見上げる……新たな悦びに目覚めそうだよ♪」
「~~~」
やっぱりパパは変態だー!!
「ありがとう、最高の褒め言葉だ」
欲に濡れた眼で微笑む顔が艶めいて……
ドキンッ
心臓が悲鳴を上げた。パパだけが聞いていい声で鼓動が鳴る。
俺ってもしかして、パパに毒されている?
「そうだよ」
君は私のもので、私は君のものになった。
「君はパパのΩだからね。……さぁ、パパと一緒にちんこピース✌」
「せんわーッ」
パパは変態でも、俺は変態じゃないんだーッ!!
………………でも
だけど………………
「愛しているよ、櫂」
俺の伝えたい事
先に言っちゃうパパは卑怯だ。
優しい唇がなぞった。
左手の薬指
じんじん熱い。
鼓動も、薬指も。
「………俺も」
声は届いたかな。あなたまで………
俺もあなたが………
「かー君。誓いの口づけ、してくれるかい」
俺のしたい事まで奪ってしまうあなたは、やっぱりとんでもない卑怯者だ。
あの日の約束
大きな手が迎えに来てくれた。
差し出された左手の薬指を辿る。
その付け根に、そっと誓いのキスを落とした。
触れるだけの口づけは、あなたの心に触れられたかな。
「愛している。……何度でも伝えたくなってしまうよ」
君に……
私のかー君。
私の息子で、私の家族で、私のΩになってくれて……
チュっ♥
ありがとう。
《おしまい♪》
「さぁー、二人の愛を芸術の域に高めよう♥性愛は爆発だー!!ちんこピ」
「せんわーッ♠!!」
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