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第1話

友人たちを招いての披露宴。 そこで一縷は蒼に『抑制剤を飲むな』と言った。 もうすぐ蒼の発情期が来る。 一縷が蒼の発情期の周期を知っていることが不思議だった。 発情期の時に抑制剤を内服しないということは、子作りを意味していた。 一縷は蒼との子供を欲している。 そのことに蒼は胸が熱くなった。 しかし、蒼にはまだ覚悟ができていなかった。 自分が親になることに対してもだが、生まれてくる子供が自分と同じΩだった場合、どう接したらいいのだろう。 それが一番の不安だった。 Ωの辛さは自分がよく知っている。 それを子供にも強いてしまうのか。 蒼は次の発情期までに覚悟を決めなければならなかった。

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