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第1話 出会い
「おい、13番部屋から出ろ。」
「は、はい。」
部屋という名の檻から出してもらう時は、風呂かトイレかあの時だけだ。憂鬱な気分になりながらも、男の指示に従い、右に曲がって見えてくるであろうドアへと向かって歩く。
彼の気持ちとは裏腹にこの時間はまたやって来てしまった。早く終われと祈りつつドアの前で止まった男を見る。
男は、逃げる気なんか起こそうともしない彼の首輪を持っている手とは反対の手でドアを開けた。
「お待たせしました。こちら13番になります。」
「1、13番です……。こ、んにち、は。」
ああ。
「こんにちは。13番くん♪」
今日はこいつに。
「とりあえず、お味見なさりますか?」
「ええ、お願いします。」
犯られるのか。
「じゃあそこのベットに寝っ転がって貰える?」
「.....」
「おい、13番。お客様の前だぞ、わかってるんだろうな。」
「...はい。」
僕はベットに寝っ転がる。
それを見た男はごゆっくりと言って立ち去って行った。
「ねえ、13番くん名前ないの?」
「名前、ですか...?」
「うん、名前。なんか13番くんじゃ寂しいからさ。」
「...ないです。」
「そっか。残念」
この店にやってくる男達は、少年を買いにくる。
僕みたいな身寄りない子供たちを求め.....。
味見という名のSEX。気に入ったら男達に買われる。この店に捨てられるのか、よく分からない男に買われるのか、どっちが幸せなんだろう。そんなことを思いながら目を閉じる。
男の唇が降ってきた。
味見の始まりだ。
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