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第26話 トイレ・カウントダウン

それから車内灯をつけて、買ってきた食べ物を取り出す。 「ほらっ。デザート食おうぜ」 「そうだね~。あっ、俺これがいい」 「あっ、それ俺が…っていいわ。俺はこっち食うか~」 俺が食べたくて買っておいた物を取られたが、まぁいい。 こんな事になったのは俺のせいだからな。 たくさん食べてくれ。 そう、たくさん食べてそれで許してくれ。 こうして夜は更けていった…。 …のだが。 「あ?しょんべん行きたい?!」 食後、尚がトイレに行きたいといい始めた。 それもそうだろう。 飲み食いしたし、トイレに行ったのはホテル探してた時が最後だ。 時間も随分経つから当然と言えば当然だった。 「しょんべんとか下品な言い方すんな!おしっこ行きたいの~」 いや、変わらんだろ。 それよりもトイレくらい行けよ。 「行ってこいよ。その辺の草叢とかで、」 「怖い怖い怖い!怖いじゃん!!外真っ暗だし!!」 「まさか…」 「着いて来て~お願い!!」 嫌な予感…とか思ってたら、案の定だった。 目の前で必死にお願いする尚は、手を合わせて俺を崇め奉る勢いだ。 まぁ確かに外灯があるとはいえ、外はほぼ真っ暗。 車から少し離れた草叢なんて、それこそ何か出てきそうな雰囲気を出している。 まさか熊とか出ないよな? この辺だと出るとしたらイノシシ…。 俺が考えている間にも尚の尿意は限界に近づいて行く様で、足を閉じて股に力を込めている。 プルプルと震える姿は絶対にヤバい。 「ねぇ将人!お願い、もうダメ、限界くる…!!」 尚が叫んでこっちを見た。 涙目だーーーっ!! 「尚、漏らすなよ?!着いて行ってやるから早く出ろ~!」 「…!!」 ガチャっと音を立ててドアを開けると、ふたり同時に両側から降り立った。

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