22 / 527

[2]-7

「まあ、そいつ関連なんだけど……」 「うんうん」 「お金を払う代わりに身体を差し出すことになって」 「ぶぐっ」 ペットボトルの水を喉に詰まらせ、変な声を出す。背中を摩っていると、瀬島が噎せ始めた。 そんなに変なことを言ってしまったのだろうか。 「……なにそれ。AVの話?」 「違う。僕の話」 「ももちゃんの!?」 二回咳き込んでから、瀬島がふーっと息を吐いた。橙里が滅多にしない話に動揺しているようだった。 「すごいね。めっちゃ面白いじゃん。その幼馴染ってイケメン?」 「あー……隣のレストランにいるワインソムリエ知ってる?」 「うん。かっこいいよね」 「そいつ」 「え!?」

ともだちにシェアしよう!