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「……ももちゃん」 あっという間に時間が過ぎ、稜も迎えに来たので帰りの支度をしていると羽村に話しかけられた。 きっと付き合うことになった、ということを報告されるだろうから手を止める。 「俺、蒼樹と付き合うことになったよ」 「……そっか。おめでと」 「ももちゃんが相談に乗ってくれたおかげだよ」 「そんなことないよ。ただ話を聞いただけだし」 橙里が苦笑すると、羽村がはにかむ。その姿は幸せに満ちていて、見ているこっちが幸せになりそうだった。 このまま会話が続きそうな気はしないので立ち去ろうとすると、羽村が腕を掴んできた。 「ねえ」 「うん?」 「ももちゃんの相談、俺も乗ってあげるからね」 「羽村さん?」 「だから、ももちゃんも頑張って。今度はももちゃんが頑張る番だよ。ねっ」

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