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俺のものであればそれで良い

「っ、何すんだ!神威!!」 ネオンの光る街の中、少し外れた路地裏に二人は居た。 神威と呼ばれた男に思い切り、ドンッと壁に無理矢理押し付けられ、逃げることも出来ずに、同じくらいの青年、姫路 霙(ひめじみぞれ)は睨み付ける。 それをものともせず、時任 神威(ときとうかむい)は「決まってるだろ?」と答えると、無理矢理に顎を持ち上げ 「お前を俺のものにするんだよ。これからな」 そう言って唇を寄せるが、霙は身をよじり、寄って来る顔から逃げる。 「ふ、ざけるな!俺がお前のものになる訳がないだろう!?」 とにかくこの体勢から逃げなければ、と動こうとするが足の間に入れられていた神威の足が、霙の自身にグリッと押し付けられる。 「っ!」 それでびくりと一瞬身体が止まる。 よくよく見てみると、神威の股の辺りはすでに膨らんでいる。 「おま、え、何する気だ」 嫌な予感に背筋に冷たいものが走る。 少し先には光るネオン街が見える。 ネオンの光は届いていないが、いつ誰に見つかるかもしれないこの場所で、まさか、そういうことをする気ではないのか。 その考えを見透かすように、そして質問の答えを行動で起こす。 「っあ!」 更に押し付けられた足によって、霙の自身が擦られてしまい、出したくも無い声が漏れる。 「なんだ。お前も案外好き物なんだな」 「ちがっ、お前の足が……」 「擦ったところで、感じないやつは感じないんだぜ?」 ハッと嘲笑うと、耳元で 「良いから、俺の言う通りにしとけよ。なんなら、いくらでも良くしてやるからさ」 そう囁いた。 「何言ってんだ!お前の言うことを俺が聞くとでも……っ!!」 ぞわり、と悪寒とはまた違うものが身体を走る。 いつの間にか神威の手が霙の股を弄っていたのだ。 布越しとはいえ、それでも感じる感覚に神威の身体を引き剥がそうとする。 「や、めろっ…!俺にそんな趣味は……」 苦悶の表情を浮かべる霙に、神威は口の端を吊り上げる。 「そういう顔を待ってた」 そう言うと、まるで本気を出したかのように、無理矢理唇を奪った。 「んんっ!!んむうっ!!」 顔をよじるがそれも意味を成さず、舌が入ってくるのを拒めない。 嫌なのに、それなのにも関わらず気持ち反して力が抜け、ようやく神威が離れた時には壁に背を預けるのが精一杯だった。 「はぁ、はぁ……」 息を上手く吸えず、ようやく吸って息を整えるが、その間に神威はベルトを外し、ズボンの中に手を突っ込んできた。 「っ!や、めろっ」 「そう言いながらココが既に立ってるのは、どういうことだろうなあ?」 「っ!!」 声を殺して笑うと、霙のそれを擦り上げていく。 霙は止めようとするが、結局力は入らず、それどころか更に抜けていく一方だ。 立っているのもやっとの状態で、しかし神威に縋ろうとはしなかった。 「へえ。まだ自分で立つ気力があるか。……やっぱり、余計に楽しみたくなった」 本当に楽しそうに言うと、手の動きを早めていく。 「や、め―――!!!」 先程までの小刻みに震えていたのとは違い、ビクンッと一際大きく、背を反らせると重力に従ってへたり込んだ。 「あーあ。イっちまったな」 暗い路地裏でも、丁度入ってきた月明かりで見えてしまった白い液体。 手に付いたそれを神威は舐め取って行く。 その様子は、まるで現実に見えなく、しかし下着の中のドロリとした感触が現実なのだと思い知らせる。 だが、これで終わりだと思って霙は安堵の息を付きかけた頃。 「次は、お前が奉仕しないとなあ?」 「は?」 神威はズボンの中からそそり立った自身を取り出した。 「おま…さっきので終わりじゃ」 「何ふざけた事言ってるんだよ、霙ちゃん?俺はお前をモノにするまで帰す気はないぜ?」 神威は顔を近づけてくると、目の笑わない笑みで答える。 「もっとも、此処でヤるのが嫌ならお前の家で、弟に見せ付けた上で鳴かせるだけだがな。 ―――ああ、先に弟をヤるのも悪くない」 その言葉に、悪寒が走った。 弟に―――雪(ゆき)に手を出させるわけにはいかない。 「それで、どうする?」 選択肢を与えない顔で、笑いながら聞いてくる。 答えなど、分かっていると言うように。 霙は歯をギリッと喰いしばると 「お前の、言うとおりにする。だから、弟には手を出すな」 睨み付けながら答えた。 それに満足したのか「いいぜ」と笑うと 「ちゃあんと、俺を満足させろよ?霙」 立ち上がり、口に無理矢理モノを突っ込んで来た。 「っ?!んむ!!」 唐突過ぎて対応が追いつかない。 口の中に広がる苦い味。喉奥まで突っ込まれて競り上がってくる吐き気。 本当なら歯でも立ててやろうと思っていたのに、太すぎてそれすら叶わない。 頭を掴まれ腰を打ち付けられる。 「なんだ、かなり具合良いな。……けど、このメガネ邪魔だな。外すぞ」 一旦腰の動きを止めてメガネを外し、足元に落とす。 そして腰の動きを再開させると、口の中に欲望の塊を吐き出した。 「んぶっ、んぅうっ―――ッゲホ、ゲホゲホッ」 吐き出された量はまともに受けきれる量じゃなく、むしろそれを飲み込むなど出来るわけもなく、地面に吐き出した。 「おいおい。せっかくくれてやったのに吐き出すなよ」 言いながらも、ま、それは追々躾けるか。等と呟いて、霙のズボンを無理矢理脱がせる。 「っ、お前に、そんな趣味があったなんて、な」 霙は精一杯の皮肉を込め言うと、神威は見下した目で霙を見て、慣らしても居ない秘孔へと2本の指を無理矢理突っ込んだ。 「いっ!!な……いきなり何す」 「黙ってればもっと気持ちよくしてやったんだがな。そんなに痛いのが好きだとは知らなかったよ、霙」 グリッと中で動かし、しかし動かし辛い事から顔をしかめ、引き抜いた。 「うあっ」 「仕方ねえな。しっかり舐めろ」 突っ込んでいた指を口に入れられそうになり、やめろ、と言う前に開いた瞬間に入れられた。 「しっかり舐めないと、お前が痛いだけだからな」 嘲笑われ、しかし先ほどの痛みを考えて霙は何も言わずに自らの保身を取ることにした。 大人しく舐めると、「なんだよ、もう抵抗しないのか」とつまらなさそうに呟いた。 ある程度舐めると手を口から抜き、再度後ろの孔へと入れる。 「っ!」 無理に入れたせいで裂けてるのだろう。その分の痛みはあったが、先程よりはスムーズに動いているようだ。 「あ、や…んぁ」 「嫌がってた割には、感じ始めてるみたいだな」 「ち、が…ああ!!」 とある一点。 そこを指が押した瞬間、ビクンッと背中が跳ねる。 「此処、か」 ニヤリと笑うと手を引き抜く。 そして、いつの間にかそそり立っている神威のそれを秘孔に宛がうと、一気に押し込んだ。 「うあああっ!!!!」 「おい、もっと力抜けよ。つっても無理か」 「そ、っちこそ、もっ…とゆっくりぃ、ひぃん!!」 無理矢理動かして、先程の場所を突いてくる。 「ほら、気持ちよくなるおまじないでもかけてやるよ」 霙を地面に寝かせると、左手は霙のそれを擦り、右手で胸の飾りをいじりながらキスをする。 一体どれだけの経験を積めばそれが出来るのか。 真っ白くなる頭の中で、冷静な自分がそんなことを考えていた。 「あ、やあっ!な、んで、こんっ、なにぃ」 「そんなに、気持ち良いのか」 「そ、なことな……んあああっ!!!」 気付けば自らのそれは擦られておらず、なのに果てていた。 「お前も出したなら、俺のも受け止めろよ、霙」 言うが早いか。中に熱いものが流れ込む感触がして、腰を打ち付けるスピードが弱まり、そして中から引き抜かれた。 それにより、ドロリとした液体が流れていく。 「良かったぜ、霙」 言うとグイッと身体を起こす。 放心状態の霙の服を調えると、身体を支えながら歩き出す。 「続きは、俺の家でヤらせてもらおうか」 答えられない霙をよそに、神威は笑いをかみ殺し、人混みの中へと歩いていった―――。

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