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第118話※
「わざとじゃないなら、魔性だろ……!」
「ぁ……はっ、……」
困ったような嬉しいような、悩ましいアゼルの声。
もう勘弁してくれというくらい虐められ続けていたのに、中になにもなくなると途端、ずくずくと奥のほうが疼いた。
指では奥は慰めてもらえない。
快感で誤魔化されていた欲望が、とろとろと溢れ出す。
アゼルは呼吸を荒らげる俺のふやけきった後孔を親指で拡げ、くぱりと開く口を褒めるように笑った。
「シャルのここ……まだ指しか挿れられたことないのに、こんなに真っ赤になって蕩けてるぜ。後ろ、処女のくせに中でイってんの、すげぇそそる」
素でそうなのかわざとなのかわからないアゼルの言葉に羞恥心が擽られ、クッションに顔を埋めてしまう。
そんな言い方、恥ずかしい。
抱かれたこともないのにそこに異物を挿れられると気持ちがいいと知っているなんて、あまりに淫らだ。
俺としては顔から火どころか焼け焦げそうなくらい熱くなる事実。
スリ、と親指で穴の表面をなぞられると、ゾワァと全身が粟立った。
「っ……ン……ぉ、俺は、女じゃないから……処女とか、ないと思う……」
「お前の中を誰も犯したことねぇなら一緒だろ。でももしいたら、俺はそいつのアレを切りとってケツにぶち込んでやるけどな?」
「魔族は、過激だな……く、っん……」
「独占欲が強いだけだ。だからほら、独占させろ」
「っひ、熱、い」
楽しそうな声とともにヌルリと尻の割れ目に熱く脈打つものがあてがわれ、身体が期待で高鳴るのを感じる。
馴染ませるように、今からこれが入るとわからせるように、尻の柔い谷間の上を何度も焦らしながら滑る怒張。
ドクン、と心臓の鼓動が期待に大きくなる。
粘膜同士が触れ合うと、布越しに触れていた時とは比べ物にならない熱と生々しさがあった。
「シャル、ちゃんと力抜け」
「ンっ……う、ぅ」
滑りをよくするために新たな粘液をトロリとまぶされながらおそるおそるとそう言われ、俺は息を吐いて頷く。
素肌を晒してからずっとこの卑猥なポーズで乱れさせられていたので、後ろはあまり見ていない。
全長は推して知るべしだが、これから入るモノは不慣れな俺の尻にとってチャレンジすぎることは確定だろう。
指が四本入っていただけでも、ずいぶん窮屈そうだった。
そういう意味では別の器官のように拡張され、中でイクことを教えこまれたのはよかったのかもしれない。
男に抱かれたことなんてないのだ。
俺には未知でしかない世界。
「痛かったら、言えよ。苦しくても、辛くても、言えよ。お前に傷つけたくねえ……」
「はっ、は、ん……はは、勇者さんは……頑丈なんだ……だから」
そっと腰をなでる俺を想った優しい声に、心の奥底から愛おしさがあふれる。
怯えられたり嫌がられたりしないかと、どこかしょんぼりとして反応を伺ってくる様子は、子犬のようでかわいい。
アゼルはかわいいのだ。
ふふ、と弛緩した表情筋を動かし、笑みを漏らした。
もうすっかり受け入れることを待ちわびている体を揺らして、誘いをかける。
「それを、俺の中に……挿れてくれ」
途端──獰猛に覆い被さったアゼルにグイッと力強い右腕で腰を抱えあげられ、突き出すように晒した割れ目の奥に、グッと太い先端が押しつけられた。
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