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13話/たいが

ムク犬がキラキラとでかい目を輝かせて、俺の話を聞いている。 尻尾をパタパタ振りながらスゴいねスゴいねっ!って言ってるのが見えるみてえだ。 最近、ムク犬を見ると耳と尻尾の幻影が必ずオプションでくっ付いてくんだけど、大丈夫かな俺…。 ムク犬を飼いたくなってから、犬の飼育法だとか、犬の種類だとかを、無意識に調べたりしていた危ない俺だが、その知識が思わぬ所で役に立ったな。 ムク犬のキラキラと俺を見つめる目にテンションが上がって、ちょい調子に乗ってウンチクかましてたら、ムク犬の様子がおかしい事に気付いた。 あれ…?さっきまでキラキラしていたでかい目が何でかウルウルとしてるぞ…。ちょっと潤んだでかい目で俺を見上げて来たムク犬。 昔流行ったCMのチワワを思い出してた俺に、ムク犬がボソリと言う。 「…どうせ僕はちんまいよ」 あ…やべえ。もしかして、さっきムク犬がチワワに似て小さいって言ったのがマズかったのか? 俺的には小さいは可愛いって事で、褒め言葉だったんだがムク犬にとっては地雷だったのかも…。 身長差による上目遣いのウルウル攻撃に、また俺の頭の中で昔流行ったCMのフレーズが流れる。 どうする〜?ア〇フ〇〜♪ …じゃねえって!ヤバい…ムク犬が泣きそうだ。 どうやって宥めるか思案していた俺の耳に「くう〜っ」という小さな、犬の鳴き声みたいな音が聞こえてきた。

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