「また、あした。」 より
    肩幅の広さから上背のある男に思えた。青朽葉色あおくちばいろのリブニットは肩の位置を落としたドロップショルダーの七分袖で、上質な手触りが一目で判るゆったりとした着こなしが洒落ている。その袖口から陽に灼けた腕がすらりと伸び、筋張った大きな手は力強く見えた。 カウンターに片肘をついて斜に見上げてくる感じがいい。歳は30前後ってところか