『ESCAPE』本編完結しました。他サイトでラストの挿絵に描いたイラストです。
――目の前の景色が、まるで高速で巻き戻されていくような錯覚がする――
桜並木の遊歩道を両親と手を繋いで散歩したあの頃。
あまりにも人が多すぎて、大人の腰までも身長がない小さな僕は、人の波に揉まれて息苦しくて。そんな時は、父さんが肩車をしてくれた。
夜中に高熱を出した僕を大きな背中に負ぶって、大通りまでしか来てくれない救急車まで走ってくれた。
僕の頭を撫でてくれる、優しくて大きな手。
僕の好きなあの階段から見える景色も、最初に教えてくれたのは父さんだった。
僕は……小さい頃から、父さんが大好きだった。
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