用語解説 ステッキ
ステッキはヴィクトリア期の英国に於いて、紳士の必需品でした。
トップハット(後日、解説します)、手袋とセットで三種の神器とも言えるほど重要なアイテムだったのです。
ファッションの意味合い(これも後日に解説)はもちろん、特権階級に身を置く証として欠かせなかったとか。
要するに、ステッキを持つ=手が塞がっている=労働の必要がないことを意味しているわけです。
素材は樫、竹、トネリコ、ハシバミ、柊などが普段使いとして用いられたそう。
ここで言う普段使いとは、田舎の野山を歩く際(カントリー・ハウス滞在中ということでしょうかね)ということです。
街中、特にロンドンを歩くときは正装必須なのでステッキも黒檀や大理石、象牙などの高価な素材が好まれたんだとか。
余談ですが、拙作中でチャーリーがアルフレッドに渡したステッキも本体が黒檀、柄が銀というおしゃれデザインでした。
また仕込み杖も決して珍しいものではなく、先端からナイフが飛び出したり、ステッキと思わせて実は空気銃なんてのもあったというから驚き。
当時のロンドンは物騒だったらしいからね(切り裂きジャック事件は1888年)。
一回につき一語ずつ解説していけたら、と思っております。