気分は下剋上 登場人物紹介
■K大医学部■
[田中祐樹(26歳)]……研修医。面倒見が良いのでナースや同期の医師達からは慕われている。父が心臓疾患で亡くなり、苦労して医学部に進学した。母は京都の日本海側で暮らしている。現在腎臓病を患っている。好きな人はワザと苛めてしまう(特にベッドで)癖を持つが基本的は優しく他人に対して思いやりがある。自分の魅力は自覚している。
[香川聡(29歳)] …・・・K大医学部教授。同大学医学部を卒業後、片思いの祐樹から逃げるようにアメリカに渡り、心臓外科の権威となる。両親は他界し、婚約を条件にある医師の援助で医学部に進学を果たすがその令嬢も他界。心臓バイパス術の権威。アメリカで「ゴッド・ハンド」の呼称で呼ばれ各国要人の手術を完璧にこなした。祐樹のことが忘れられず、教授として招聘された母校に戻ってくる。自分の存在意義は手術にしかないと思いこんでいる。顔立ちは優しげなハンサムだが、自分の魅力には気付いていない。
齋藤医学部長兼病院長
医学部のトップとしての地位を強引に掴んだ権謀術数に長けた人間。国立大学が「独立行政法人」となったので、病院経営も黒字にしなければならず、そのために香川教授の招聘にも乗り気だった。
佐々木前教授…香川教授や祐樹の恩師。定年で退官する前に後継者を育てられなかったことを悔いて香川教授を推薦した。しかし、そのことを表沙汰には出来ないので、齋藤医学部長からの推薦で香川教授が後任者に選ばれたと表向きはなっている。性格は温和だが、責任感は強い。
【香川外科】
黒木准教授……小太りだが手術の腕は確か。温和な性格だが野心は僅かながらある。香川教授招聘に一度は辞職を決意するも教授の手技に魅せられて部下になることを承知した。香川外科の縁の下の力持ち。
畑仲医局長…政治力のみで医局長の地位を掴んだ。手術の腕前は香川教授の要求するレベルにはまでは至らず、手術室からは遠ざけられる。その件で教授に反感を持っている。
木村講師…人事の順送りで講師の座を獲得。手技は畑仲と同様。教授に対する感情は表には出していない。
山本助手……順送り人事で助手の地位に。他人の弱みを握るのが趣味。小太りで不器用なため香川教授の手術チームからは外されていることに反感を持っている。
長岡美樹子…内科医。アメリカで香川教授と知り合い、彼を崇拝している。内科医としては大変優秀で香川教授が日本に帰国する時も一緒に。婚約者は日本きっての大病院の御曹司(岩松恭司医師)。一般常識に疎い。
柏木雅弘……香川教授の医学部時代の同級生。地位は雲泥の差になったが、わだかまりはあるもののそこまで気にしてはいない。気にするのは患者さんのことだけで、学内政治については関心がない。
今居教授……内科教授。かつては齋藤医学部長のライバルだったが政治力で敗れて以来彼を憎悪している。当然、齋藤医学部長が招聘したとされる香川教授に反感を持つ。
内田講師……内科医。患者さんのことを第一に考えている。外科に送った患者を香川教の許可で診察することが出来たので、感謝と尊敬の意を持っている。
桜木医師…癌手術には天才的な才能を発揮するも、出世欲などは皆無。本来ならもっと出世する人材だが、手術の職人を自称し、出世には全く興味がない。かつては香川教授も憧れていたが、今は桜木医師は香川教授の手術の方が上手いと評価している。
北教授……救急救命室の責任者。香川教授の才能は学生時代から高く買っている。現場に出ることがなく、阿部師長に任せ切り。
阿部優子……救急救命室の責任者。救急医療に全てを捧げているが、最近恋の話も。香川教授や祐樹の指導もしていた。
星川ナース…手術室付きの看護師。わざと道具出しのタイミングをずらして手術を失敗させようとしている。
清瀬師長……手術室のナースの責任者
上川総師長(看護部長)…K大病院のナースを束ねる影の実力者。阿部師長とは同期だが、持ち前の政治力を生かしてトップの地位に。総士長となればなまじの教授よりも発言力はある。
【その他の主要登場人物】
鈴木……祐樹の現在担当する患者。祐樹は教授や内田講師と相談しながら手術をするかどうかを決めようとしている。
杉田弁護士…祐樹のゲイバーでの知り合い。どうやらバイ・セクシャル。祐樹に頼まれて星川ナースの弱みを調べている。その縁で阿部師長と知り合い、お互い憎からず思っている。
上村……祐樹御用達のゲイバー「グレイス」のオーナー。祐樹が医学生時代にK大病院 に入院。その縁で彼の店に通うこととなった。同じ頃香川とも知り合いグレイスに誘う。そのことがきっかけになり、物語が回っていく。
☆調べが行き届かない面があり、肩書きでどっちが偉いのか分からなかったことをお詫びします。この物語では医局長→講師→助手と地位が下がって行くという設定なのですが…ホントのところは分かりません。(スミマセン!!)