警視庁の朝とヒラリー・ウォーのはなし(探偵×刑事)

スコットランド・ヤードの朝です。

 

探偵ハイドさんは、その気になれば猥談もできる上品な紳士です。

彼は眠っている刑事の首を寝ぼけて噛みました。そして爽やかな気持ちで朝起きたら、ウィルクス君はまったく気がつかず出勤したあとでした。

 

話は変わって、ヒラリー・ウォーというミステリ作家の警察小説が好きです。

 

刑事たちが地味に地道に根気強く、一進一退しつつ事件の捜査をしていくタイプのミステリ。

捜査線上に浮かんだある人物を追いかけていったら、まったくなんの関係もない人だったり、有力な手がかりか!? と思ったらどことも繋がっていなかったり、「徒労に終わった」とか「希望がまた一つ潰えた」といったことを繰り返しながらどんどん核心に迫っていきます。

その地味で地道で緻密で、こつこつ関係のない線を潰していき、職務だからと黙々と捜査を進める刑事たちの姿を見ると、心に深い安らぎを覚えます。

(ミステリ小説に求めるものではないかもしれませんが……)

作品は全体的にとても静かで派手なアクションもなく、かなりの地味さなのですが、そこもとても好きです。

 

(↑の写真には載っていませんが、『事件当夜は雨』という作品も名作です)

 

こつこつ集めています。

 

(ヒラリー・ウォーの作品に出てくる探偵役の刑事とその部下の関係もなんだかおもしろい。上司相手にそんなざっくばらんに軽口言うの(ときにはおちょくってる)? とか。でもお互いに信頼があったり。上司も、最初はなんだか嫌なかんじの人だったりします。でもみんなそれぞれ正義を胸に抱いています。

わたしはフェローズ署長シリーズに登場する、署長の補佐役の刑事さんが好き。シドニー・G・ウィルクスという名の刑事で、探偵と刑事の名前は彼に由来にしています)