ちょっと休憩がてら

 アイコンを高宮博子様より頂きました!表紙を描いてもらってから日々嬉しいことの連続です。

ちょっとテンションが上がりすぎているので、休憩がてら本篇では載せられないSSをひとつ。

 

 

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             【慎吾の驚く顔が見たい】

 

   慎吾は喜怒哀楽をあまり顔に出さない。付き合いが長いと声や雰囲気で分かってはくるけど、
  驚く慎吾は見た事がないような気がする。
  そう思うと何が何でも慎吾の驚く顔が見たくなる。

 

  驚いてもらうぞ慎吾!

 

  まずは定番の物陰から飛び出して驚かすやつ。

 

  「わっ!」

 

  歩いて来る慎吾を確認して勢いよく飛び出した。
  

  「わぁぁぁ!!」
  

  「何してるんだ翔」
  

  驚き叫んだのは慎吾……の隣にいる藤崎だった。
  慎吾はといえば、お前じゃないんだよ藤崎とがっかりする俺と驚かすなよ水沢と喚く藤崎を冷めた目で

  見ていた。


  じゃあ次は……。

 

  「慎吾!大変だ!宝くじで1千万当たったぞ!!」
  「翔……日にちまで分からなくなったのか、今日は4月1日じゃないぞ」
  「わかってるよ!」

 

  わざとらしく大きな溜息をつく慎吾の表情には呆れは見えても驚きは1ミリも見えない。

 


  こ、これならどうだよ!?

 

  「慎吾……実は俺、ついに昨日佑真さんと――」

 

  言いかけた瞬間、眉間に皺を寄せた慎吾が俺の頬を思いっきり引っ張った。

 

  「い、いひゃい!」
  「お前と五十嵐さんのどうのこうのなんて知りたくもねぇんだよ!」
  「ひでぇ!お前のオブラート仕事しねぇな!?」

 

  頬をさすり文句を言いながら止めてくれてよかったと思っていた。慎吾が驚くかどうかより俺の方が

  恥ずかしい、恥ずか死ぬ。

 

  「お前、それどうした?」

 

  頬をさする俺の手の甲の傷に気づいた慎吾が心配そうに訊ねた。

 

  「あぁ、これ?昨日藤崎の家に行った時に、藤崎の飼ってるネコに引っ掻かれたんだよ。

  可愛かったけどな」
  「なっ!藤崎はネコを飼ってるのか!?」

 

  引っ掻かれた手をぷらぷらと振り苦笑する俺の肩を掴む慎吾の顔はどうみても驚いている。
  今の話のどこに驚く要素があったんだ。お前の驚きに俺の方が驚いているぞ。

 

  「写メ!写メは撮ったんだろうな!?」
  「え、えぇ……?」

 

  必死な顔で俺の肩を揺する慎吾にどん引きだよ。
  お前がそんなにネコ好きとは知らなかった。
  俺は何だかお前の新しい一面を見た気がするよ、見なくてもよかった気もするけどな。

 

  「翔!」

 

  しつこく写メを要求する慎吾に仕方なく昨日撮ったネコの写メを見せてやると、

  可愛いなと嬉しそうに呟き照れている。

 

  お前、ネコ相手なら喜怒哀楽出まくりじゃねぇか!俺にも少しは出しやがれ。

 

  俺の見たかった驚く顔とは何か違う気もするけど、いつもクールな慎吾が楽しそうに自分のスマホに

  写メを転送している姿が何だかかわいくて、まぁいいかと笑みを零した。

 

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と、まぁ「誰の嘘」を書きながら日々こんな妄想を繰り広げている私であります。

 

楽しんで頂ければ幸いです。