設定の話:僕の夜を壊して 〜 生き人形の恋

小説語りです。

『僕の夜を壊して 〜 生き人形の恋』https://fujossy.jp/books/16189 は、大正から昭和にかけての話です。

 

趣味の範囲なので調べ方もざっくりですが、書くとなると細かい設定が気になり始めるもので……。

基本的に細かい部分はふんわりさせながらも、学校制度や省庁など一応調べてはいたりします。

 

その中でもわからなかったのは、小説やドラマなどでは近くの都市に高等学校があっても、田舎から出て下宿して東京の高等学校に通う高校生などがよく描かれているけど、そういうのは特例だったのか、ままあることだったのかという、当時の風潮的なものです。

 

わからないまま書て、推敲しているところに、始まったのが大河ドラマ「いだてん」

どことは明記していないのですが、実は清比古の故郷は熊本の小国や菊池近郊を想定していまして「いだてん」の主人公金栗四三の故郷とまあまあ近く、時代もドンピシャ。

おお、出ていってるやん……!

 

ドンピシャすぎて自分の浅さが気にはなりましたが、不安だった部分が補強され、安心しました。

 

旧制高校の男色などはこのために調べた訳ではないですが、まあ、後輩に関係を強要してほぼ毎日同衾なんて珍しくなかったようで。

珍しくはなくとも、みんなやっていた訳ではない。

旧制高校の生徒ががみんな男色に走っていた訳ではなく、数人の馬鹿が何人も食い荒らしていたようです。

 

(不倫、浮気、二股など様々なアンケートなどでも『増えている』と言われる状態の時は、同じ奴が何度もやらかした結果がアンケートに反映されている→不倫流行と聞いて調子に乗った男が何人も女性に手を出し、結果女性の不倫が増えているとワイドショー報道される)

 

旧制高校の寮はベッドではなく、みんなで並んで寝てるんだけど。

それでイチャイチャされて隣の布団の奴らはどんな気分だったのか。

 

クズほど武勇伝としてエピソードトークしたがるようで

美少年として名前が上がる下級生には、好みだろうがなかろうがとりあえずみんな手を出すクズとか

女とヤると、憑物が落ちたように男に興味がなくなると聞き、自分が稚児にしている後輩の家の女中が、簡単にヤらせると知って会いに行き、3Pするクズとか……(しかも稚児の後輩が女中を抱くよりやっぱり尻のほうがいいと挿入をねだられて面倒だったとか)

そんなクズエピソードを雑誌対談とかエッセイとかで堂々と語る感覚がちょっと狂ってると思うのですが、それも時代なんですかね……。

ちなみに地方では交際もなく結婚して初めて女性と関係を持って、一生添い遂げるのが当たり前でした。

 

清比古の故郷を熊本と仮定したのは、天才人形師と呼ばれる松本喜三郎が熊本生まれだったからです。

熊本ではなく『熊本っぽいどこか』にしたかったので、小国や菊池近郊を想定して、方言パートは小国出身のおばさんの喋りを参考にしています。でも文字でわかりやすいように方言はソフトにソフトに……。

 

 そして、この話はある少説へのオマージ的なものだったのですが

改めて調べてみると、小説では生き人形じゃなく、蝋人形だったり記憶違いがありました。

まあ、自作にはなんら問題ないんですけどね。

その本は短編集だったのですが、最後に『受験でホテルに泊まった時に石鹸を使ってオナニーしたらチンコにしみて悶絶して超後悔して、しばらく落ち込んだ』という小説が入っておりまして、実は知人が似たようなことをやらかし、用事があって会いに行ったkawoは痛み待ちさせられるという地獄をみたことがあります。(超ウザかった)

BL小説などでボディソープや石鹸を使ったプレイを書くときには、チンコに塗り込めるような表現は控えることをお勧めいたします。(←今回の中で一番書きたかったこと)

 

 

彬:苗字はない