【えちぅど】ホワイトソース、海と陸【没】

オチを忘れるというサイテーのことが起きて没った。

【えちぅど】初没。

* * *

 ヨーグルトが飛び跳ねて、にんまりしている。どうせその可愛い口から出てくるのは下品な言葉だ。

 

「顔射〜」

 

 割と今までのプラトニックな関係を気に入っているのだけれども、今夜一線、越えてみるか? 

 

「他の人の前で言うなよ」


 俺の指が、彼の肌に触れたヨーグルトを拭う。舐めようか、洗おうか、7対3で迷って、温かい手が俺の指を引っ張る。また温かい。乾燥した俺の手が何度か重ねた唇に消える。やられたな。

 

「他の人には絶対するな」


「分かってるって!お前だけ!」


 お互いに正反対で、俺には彼だけ。俺と彼は月と太陽だなんてすれ違って切ないから、彼と俺は海と陸。隣り合ってさ。空と海?俺は空なんて広くはなくて、海なんて深さはない。彼にも俺だけだと信じたいけれど、人懐こい彼が誰かに付いていきはしないかと狭く浅くなる。

 

「シチュー食いてぇな、今日。ごはんにかけてさ」


「カレーか?」


 それか、ビーフシチューと勘違いしているか。


「シチューだよ。ごはんにかけねぇの?」


「かけない。かけるのか?」


「かけるよ。1億3000万人はかける。ごはんの真上にかけるやつもいいけど、オレはカレーみたいに海と陸みたいにすんの」


 こういう不思議なことを言い出すのが可愛い。俺の家族はかけなかったから、そこから-4にしてくれ。

 


 リクエストのシチューを作る。にんじんは小さめ、少量。ブロッコリーは入れなかった。パッケージどおり鶏肉にしてみる。味は悪くない。パンを焼こうとして手が止まる。白飯にかける、そういう話だった。寝こけている彼を起こす。なんだか贅沢だ。

【未完結】

* * *

 白on白は白米かシチゥが黄ばんで見えるからオ〜ユ〜ティ〜。服装も然り。